2018年7月2日月曜日

H30年度西洋美術史実地研修 第3回研修

第3回の実地研修は梅雨の晴れ間に行われました。
午前中は東京・六本木の国立新美術館で「ルーヴル美術館展」


収蔵作品380,000点以上を数えるルーヴル美術館から、今回の展覧会では、ルーヴル美術館全8部門(古代オリエント、古代エジプト、古代ギリシャ・エトルリア・ローマ美術、イスラム美術、絵画、彫刻、美術工芸品、素描・版画)から110点の「肖像芸術」をセレクトし、サブタイトルのとおり「人は人をどう表現してきたか」を見せる展示がされていました。









鑑賞前にいつものように事前学習の発表。
展覧会テーマをより深く理解するために
「肖像芸術について」、それから肖像に関連して出展されている「デスマスク」について学んできました。
準備を終えたら、鑑賞開始。
  
見所の一つがナポレオンの肖像。
古代ローマの皇帝たちの肖像、それからローマ皇帝に自分たちを見立てた歴代のフランス王の肖像を見てから、ローマ皇帝、フランス王双方の肖像の伝統を取り入れた新たな皇帝としてナポレオンが表されていたことが、絵画、彫刻、メダルなど多様な作品を通して示されていました。







盛りだくさんの展示に鑑賞後は少々ぐったり?


お昼を食べてから横浜へ移動。六本木からだと地下鉄で40分ほどになります。
午後は横浜・みなとみらいにある横浜美術館で企画展「ヌード NUDE」を見ます。
展覧会 ポスターは今回初来日で、目玉作品であるロダンの《接吻》。
イギリスが誇る近現代美術の殿堂「英国テート・コレクション」から19世紀ヴィクトリア朝から現代までの130点余の絵画、彫刻、版画が出展されています。
団体で申し込んでおいたので、美術館の係の方が横浜美術館の概容を説明してくださいました。
自分
たちで調べた横浜美術館の特色についても発表。

展覧会テーマ 「ヌード」は西洋美術に特有の伝統ある主題なので、今回は事前にそれに関する文献を全員読んで、「ヌード」の歴史を事前学習。ロダン作品についても、展覧会図録所収の論文で学んできました。







(ロダンの展示室のみ撮影可能でした。いろんな角度から大作をじっくり見ることができたでしょうか)
企画展にちなんで開催されているコレクション展「人を描く―日本の美術を中心に」には、バーン・ジョーンズ「遍歴の騎士」(企画展に出展)を明治に渡英した下村観山が模写した作品が展示されていました。














第3回研修は、「肖像」と「ヌード」といういずれも「人」を表した作品を200点ほど見ることになりました。19世紀に印象派が出てくるまで西洋美術においては、「自然」や「静物」を描くよりも重要だったのが「人を表す」ことでした。二つの展覧会を通して、西洋美術の真髄の一端に触れることができたのではないでしょうか。

 さて、次回で前期の実地研修は最終回です。どのような作品に出会えるでしょうか。

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