2019年12月26日木曜日

「芸術の現場から」(県民公開授業)インテリアデザイナーの三沢里彩先生による ご講義

リレー講座の第10回(2019.12.17)は、(株)日建スペースデザイン取締役でイ
ンテリアデザイナーの三沢里彩先生にお越しいただきました。


三沢先生は、東京芸術大学大学院美術研究科環境造形デザイン専攻を修了され、
(株)日建スペースデザインに入社後、国内外問わずホテル、レストラン、病院、
保育園、豪華客船のインテリアなどの設計・監理に、幅広く関わってこられました。



ここ最近では、
「東京會舘本館(東京都千代田区)」
「青島銀行本社ビル(中国・青島市)」
「ふくしまいのちとみらいのメディカルセンター棟(福島県福島市)」
などがあります。



今回のご講義では、1つの案件が完成に至るまでの仕事の流れ、各部署での役割分
担、クライアントが大切にしていることを具現化していく上で、何が重要かなどを
お話しいただきました。
「大学時代、視覚的なデザイン(ロゴ、パッケージなど)に興味があった。現在の
インタリアデザイナーという立場は、すべての統一したコンセプトのもと、インテ
リアだけにとどまらず、ロゴ、食器、パッケージなど、関係するすべてに関わるこ
とができている。結果として学生時代にしたかったことが、できている」
「クライアントから、お金を預かってさまざまなことをデザインし、世の中に生み
出していくことが、私たちの仕事」
「大学院を出た頃は、デザイナーとして自分しか信用できなかった。日建スペース
デザインに入社し後輩ができたころ、自分では考えつかなかった感覚を実感したと
き、チームとして集結することで大きな力が出せることに、あらためて気付いた」
など、人と人との関係性を大切にしている言葉が紡ぎ出されました。




ご講義後、対話形式での時間も取ることができ、大変充実した内容となりました。
三沢先生、ありがとうございました。

2019年12月18日水曜日

「芸術の現場から」(県民公開授業) プランニングディレクターの阿部芳久先生による御講義

リレー講座の第8回(2019.12.03)は、プランニングディレクターの阿部芳久先生にお越しいただきました。

阿部先生は、これまで文化庁メディア芸術祭事務局長、芸術選奨推進委員などを歴任なさってきました。


今回は、「マンガやアニメの展覧会が美術館で開催されるまで」を中心テーマとして、「文化庁メディア芸術祭」(1997年度~)の構想段階から20年間にわたって企画から制作運営まで幅広くご担当なさったご経験をもとに、新しい分野がどうやって社会に受け入れられていくのかについてお話してくださいました。


マンガの展覧会は、第二次世界大戦後の1947年に百貨店で開催されたのが始まりとのことです。文化庁メディア芸術祭の第1回会場は、美術館ではなく新国立劇場でした。それが10年後には、当時新設の国立新美術館で開催されるようになります。
マンガやアニメの展覧会は世界にも広がり、大英博物館でも今年「マンガ展」が開催されました。
阿部先生は、文化庁メディア芸術祭が行ったことは、ジャンルのヒエラルキーをなくしたことですと語られました。


次のテーマ「表現者として社会につながるには」では、制作に携わる若い学生たちに向かって、「考える、つくる、見せる、伝える」ことの大切さについてお話してくださいました。

先週に続き、展覧会企画・運営についてのご講義を受けて、新たな側面を学び、理解を深めることができました。
また、様々な点において自己表現や社会との関わり方を考えるうえで、多くの学生が前に進む勇気をいただいたようです。

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2019年度「芸術の現場から」 2019年10月~2020年1月
火曜 16:20~17:50 群馬県立女子大学 2号館2階 CALL2号教室にて
スケジュールはこちらをご覧ください。
https://www.gpwu.ac.jp/dep/lit/art/schedule.html

2019年12月17日火曜日

「芸術の現場から」(県民公開授業) 映画監督の冨樫森先生による御講義

リレー講座の第9回(2019.12.10)は、映画監督の冨樫森先生にお越しいただきました。

冨樫先生は、1998年に相米慎二総監督のオムニバス映画『ポッキー坂恋物語・かわいいひと』の一編を初監督、2001年に『非・バランス』で長編デビューなさいました。以後の作品に『ごめん』『あの空をおぼえている』『おしん』等があります。また御著書に『俳優の演技術』(フィルムアート社、2017年)があります。


今回のご講義のタイトルは、「映画の現場で大切にしていること」。
映画と出会った大学時代や『非・バランス』で長編デビューなさるまでのエピソードを導入に、監督としてどのような映画を撮りたいのか、映画で俳優が演技するとはどういうことか、またスタッフたちと現場でどのように関わっているのかについてお話してくださいました。

『非・バランス』を見ながら


『おしん』(DVDトップメニュー)

映画の構造について教えていただいたり、撮影現場を通した俳優の成長過程と作品とのつながりや、監督やスタッフの役割などについてお話をうかがったりすることで、映画の見方が変わっていきました。

学生からの質問

自分が映画を撮る理由や映画で何をしたいのかを突き詰めて考えるというお話をうかがい、自分の人生のあり方を考えることの大切さについてもあらためて学びました。

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2019年度「芸術の現場から」 2019年10月~2020年1月
火曜 16:20~17:50 群馬県立女子大学 2号館2階 CALL2号教室にて
スケジュールはこちらをご覧ください。
https://www.gpwu.ac.jp/dep/lit/art/schedule.html

2019年12月16日月曜日

伊勢崎スケートセンター アートプロジェクト 10周年

美学美術史学科 絵画ゼミ生(3年生〜院2年)と伊勢崎スケートセンターとの
アートプロジェクトが今年で10年目を迎えました。 リンクの大壁画から始まり、
外壁、入口、通路、待合室など、
年々、壁画を追加していきました。 

2年目から開催しているクイズ企画は、
 今回で9回目。今年のテーマは、誰もが経験したことのある「給食」です。
 応募された全員に参加賞として、6パターンの中から1種類の給食カンバッチを、
抽選で150名に巾着かランチョマットをプレゼントしています。
いずれもゼミ生オリジナルデザインです。

皆様、スケートを楽しみながら、クイズにご参加してみませんか。

 ご来場をお待ちしています!

  上毛新聞(12月12日 朝刊)に掲載されました。
 https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/179791


壁画のデザイン

             今年のテーマ、給食 クイズの様子
グッズはこちら

2019年12月15日日曜日

「西洋美術史実地研修2」(第4回)に行ってきました!

朝から小雨がしょぼつく渋谷の街を歩いて、Bunkamura ザ・ミュージアムへ。午前中は「リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝」展を見学しました。

リヒテンシュタインは、神聖ローマ皇帝カール6世の承認のもとで1719年に侯国(公国)として成立しました。今年は建国300年にあたります。今回の展覧会では、侯爵家の豊かな美術コレクションの一端を垣間見ることができました。第2回の研修で「ハプスブルク展」(国立西洋美術館)を見学していたこともあり、歴史的な背景もふまえながら作品を鑑賞しました。

全員が揃うのを待ちながら

午後は六本木に移動して、「ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」(国立新美術館)を見学しました。

展覧会のみどころで「16世紀ルネサンスから20世紀初頭のアヴァンギャルドの時代まで」とうたっているように、時代を追いながらじっくりと鑑賞できました。こちらもやはりハプスブルクつながりといえます。また、ハンガリー近代絵画を学ぶとてもよい機会にもなりました。

事前学習の発表風景

「ブダペスト展」入口付近にて

国立新美術館では、「カルティエ展」も開催中でした。授業の見学コース自体には入っていませんでしたが、こちらも見学できたでしょうか。作品を鑑賞するばかりでなく、展示方法についても考えるよい機会となったはずです。

今年度の「西洋美術史実地研修2」は、これで最終回となります。今年度後期の授業では、ハプスブルク関連や印象主義の作品について理解を深めることができたのではないでしょうか。

さて、12月も後半となり、慌ただしくなってきました。寒い日が続いていますが、身体に気をつけて元気に過ごしましょう。

それでは、また来年。どうぞ良いお年をお迎えください。(fine)

2019年12月2日月曜日

「芸術の現場から」(県民公開授業)  展覧会プロデューサーの佐藤麻理子先生による御講義

リレー講座の第7回(2019.11.25)は、文化事業の区分から展覧会プロデューサーの佐藤麻理子先生にお越しいただきました。

佐藤先生は、本学文学部美学美術史学科の卒業生です。現在は今年4月新設の会社TBSグロウディアにご勤務なさり、その前のTBSテレビご所属時代から様々な展覧会の企画・運営に携わってこられました。


今回は、来年秋開催予定の「佐藤可士和展」(国立新美術館)を取り上げ、展覧会のつくり方についてお話してくださいました。クリエイティブディレクターの佐藤可士和さんは、国立新美術館のシンボルマークもデザインしています。




リアルタイムで制作中の展覧会のお話をうかがえる貴重な機会となりました。


ローマ教皇の来日に合わせて開催が発表されたばかりの「カラヴァッジョ《キリストの埋葬》展」(仮称、国立新美術館)についてもご紹介いただきました。


展覧会は、多種多様な業務を経て、また多くの人々の協力があって初めて開催されていくものだということがわかりました。学芸員とは異なる立場の方のお話をうかがえて、学生たちの展覧会に対する考え方も深まったようです。

「展覧会は愛情をかけないと成功しない」と語る佐藤さん。仕事は単なる業務の積み重ねではないとあらためて学びました。
来年開催予定の2つの展覧会を鑑賞するのが今から楽しみです。

「佐藤可士和展」特設サイト https://kashiwasato2020.com/

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2019年度「芸術の現場から」 2019年10月~2020年1月
火曜 16:20~17:50 群馬県立女子大学 2号館2階 CALL2号教室にて
スケジュールはこちらをご覧ください。
https://www.gpwu.ac.jp/dep/lit/art/schedule.html