2023年5月26日金曜日

「芸術の現場から」 5月22日 現代美術家 宮島達男先生にお越しいただきました

 3回目の「芸術の現場から」では現代美術家の宮島達男先生にお越しいただきました。

宮島先生は国際的にもご活躍されている第一線のアーティストです。


今回はいろいろなご縁が重なり、本授業にお越しいただくことが叶いました。

今日のご講義では、前半は先生の作品のご紹介をしていただきました。


既にHP等で予習をしてきた学生たちですが、ご本人から作品のコンセプトや
作品に込めた想いをお聞きすることで、「なるほど、そういうことなのか」と真剣に聞き入っていました。

前半は世界各地に所蔵されている作品のご紹介、2つのソウゾウリョク(想像力と創造力)が人間力ともいえること、現在アメリカで行われている「STEAM教育」には中心に「ART」があることなどポイントを押さえながらお話いただき、アートの役割を考えるきっかけにもなりました。

その後「Art in You」すべての人にはもともとアートが備わっている、すべての人が創造力/想像力を発揮することが出来るというお話もご自身のローカルな場でのプロジェクトなどを交えながらお話してくださいました。

時折哲学者の言葉も紹介され、美学美術史学科をはじめとする本大学の受講生はその言葉にハッとさせられた人も多かったのではないでしょうか。

先生のお話はポイントを押さえていて、1年生や美学以外の学生にもとても分かりやすく、またアートの力を感じ、聴講した4名の教員もじ~~んとしていました。


後半はいよいよ「時の海ー東北」プロジェクトのタイム設定ワークショップです。
これまでも各地で展開してきたワークショップですが、今回は聴講する学生たちが実際にプロジェクトの作品を構成するタイム設定を行いました。

先生からのご説明の後、本プロジェクトのディレクター嘉原さんの進行により、ワークシートにカウントダウンのスピードとコメントを記入していきました。


学生たちはしばらく静まり返り、じっくりとそれぞれ考えていました。

あとで宮島先生が「こんなに静かだったのは初めてだ」とおっしゃったように、真剣そのものの表情でした。

そして、記入し終えた人から、先生に直接シートをわたしに行きます。そこでは短い間ですが、コメントを読み、学生一人一人と対話をしてくださいました。

             みんな並んで提出・・・!青田先生も
一番乗りの杉浦先生!

この交流はきっと一生の思い出になることでしょう。

そして、2027年のプロジェクト作品の完成が楽しみですね。


宮島先生、そして嘉原さん、皆様本日は貴重なご講義とワークショップの体験をありがとうございました。今後のご活躍もお祈りしています。

2023年5月21日日曜日

「芸術の現場から」 5月15日 西島雄志先生

 5月15日 彫刻家でアートカフェ「gallery.studio.cafe_newroll」を主宰されている、

西島雄志先生にお越しいただきました。

先生は中之条ビエンナーレの常連作家で、日本各地で作品展を開催されています。



講義の序盤は、幼少期の美術に関わる体験~大学を受験されるまでの考え方から、
ものづくりと人とのつながりの大切さを分かりやすく丁寧に語ってくださいました。
学生結婚され、様々な仕事をしながらも作品制作を続けてきた姿勢に、学生たちも驚いた様子で聞いていました。
学生時代に恩師からいただいた「作品制作を続けなさい」「必ず助けになる」という言葉が、今の自分に繋がっているとおっしゃっていました。


その言葉の通り、30歳から9年間銀座のギャラリー(使用料は当時1週間で30万円ほど)で個展を開かれています。
その時期に、日常生活「時間」と制作「時間」との関係を考え、いつでも制作できる、銅線を渦のように巻いてパーツを作り組み合わせるスタイルを見つけ出されました。「時間の時間を集めて形にする」というこのスタイルを、現在に至るまで続けています。
そして、常にそのパーツを手に持ち、少しの時間ができた合い間合間に制作をされている話には学生たちも目を丸くしていました。



2021年、東京での講師の仕事を辞め、東京から中之条近くの群馬県吾妻町へ移住されました。
自分自身のやりたいことをやるために自分で責任をとる=仕事を辞めて作品制作のみをすることを選ばれました。
居住地を群馬にされた理由は、中之条ビエンナーレで作品を見ていただいたお客様の言葉の影響があるとのこと。
銀座によくいらっしゃるようなアートに詳しい方達ではなく、素朴で純粋な子供やお年寄りが素直な感想を投げたり、感動してもらえたりすることに本来の作品のあり方が明確になり、救われたとのことでした。



中之条ビエンナーレでは、廃校を舞台にした展示会場や、人が立ち入れない聖域とされている神社などで展示をし、自身が表現したい「気配」を作りやすくなったそうです。
最初自分自身をモチーフにしていた「気配」はやがて動物に変わり、現在は「日本の神」と呼ばれる動物たちをモチーフに展開されています。
群馬だけでなく、京都二条城での展示や海外の展示など幅を広げ、現在、東京銀座ポーラミュージアムアネックスで6月4日まで展覧会をされています。




学生たちの心に響くストレートなコンセプトに、講義最後の質問コーナでは学生からの質問が止まりませんでした。
時間であえなく終了となりましたが、今年度は中之条ビエンナーレ開催年であり、群馬で主宰されているアートカフェギャラリーは今後も開かれるとのことですから、学生たちも伺える機会が増えることでしょう。


ありがとうございました。

2023年5月9日火曜日

5月4日にアートマネジメントゼミ生が大川美術館にてワークショップを行いました

 こどもの日直前の5月4日に、アートマネジメントゼミ生4年生4名が

大川美術館にて「一日限りのこどもびじゅつかん」という企画を実施しました。

この企画は美術館という場を知って、体験してもらう子どもを対象にしたプログラムです。

内容は美術館の作品を鑑賞したあとに、自分で描いた作品を額縁に入れて展示するという

鑑賞活動と表現活動がセットになったものです。

まずは学生から簡単に美術館の紹介と館内のルールを聞きます。
その後館内の作品を鑑賞します。いろいろな作品が展示されていますね。

会場に戻ってきたら、画用紙と画材を選んで自由に表現していきます。
展覧会の作品も見たので皆さんすごい勢いで制作していきます。

完成したら美術館にある額縁に作品を入れます。
そして作者としてギャラリートークを体験!
小さいお子さんは恥ずかしかったり、緊張して自分の作品について
なかなかお話しできませんでしたが、小学生の皆さんはしっかりと描いたものや、
どうしてこれを作ったのかなど話してくれました。

最後はみんなで記念撮影。当日の様子は東京新聞にも掲載されました。

午後も小学生~高校生の方に参加いただき、ゆったりと美術館を楽しむことが出来た
一日でした。ご参加された方、ありがとうございました!

2023年5月3日水曜日

「アートマネジメント特講1」の授業で茨城県近代美術館の「ハロー!ミュージアム」を体験しました

 4月27日(木)の「アートマネジメント特講1」の授業で

今年も茨城県近代美術館の「ハロー!ミュージアム」を体験しました。

遠隔による教育普及事業を体験するということで、オンラインでつながり、

美術館スタッフと交流を楽しみました。


本事業を体験するのは3年目になります。毎回学生は異なる受講者ですが、
このような事業を美術館で行っているということを知ってもらう機会でもあります。
茨城近代美術館は、全国でも珍しく、オンラインでの教育普及事業を展開しています。コロナ禍でうまれた取り組みが、今や遠くの場所にいても美術館を知るツールに
なっていることが分かりました。

学生は担当者(本学の卒業生です!)の優しい受け答えと、楽しい発言に、リラックスした様子でクイズや作品鑑賞を楽しんでいました。今年もモネの作品をオンラインならではの
方法で鑑賞し、新たな視点を得ることが出来たようです。


最後は恒例の質問タイム。
大学生らしい質問もたくさん飛び出しました。
本学の卒業生が活躍されているということもわかり、意欲が高まったようです。
今年もありがとうございました!