2019年10月20日日曜日

「西洋美術史実地研修2」(第2回) に 行ってきました!

第2回研修では、上野に行ってきました。
朝まで残っていた雨がようやく止みかけたばかりの上野公園。

国立西洋美術館前

午前中は、「コートールド美術館展」(東京都美術館)を見学しました。

マネ《フォリー=ベルジェールのバー》のパネルの前で

イギリスの実業家コートールドが創設したこの美術館から来日した、マネ《フォリー=ベルジェールのバー》やルノワール《桟敷席》をはじめとする、数々の有名な作品が並びます。

事前学習の発表風景

わずかな見学時間ではありましたが、「知っている!」という作品が次々と現れて、テンションが上がりました。ラーニングウォールの解説を読んでから、また作品を鑑賞することで理解も深まりました。

午後は、国立西洋美術館を見学。

事前学習の発表風景

「ハプスブルク展」の初日で、ウィーン美術史美術館学芸員の方による講演会も拝聴しました。同時通訳を体験しながら、ハプスブルク家代々のイタリア美術コレクションの壮大な歴史を学びました。
個々の作品を前にしたとき、歴史の重みも一緒に伝わってきましたね。

考えるポーズ、それぞれ

このところの天候不順や気温差で体調不良となりがちです。
台風の影響もまだまだ心配されます。
次回、皆元気にお会いしましょう。

2019年10月19日土曜日

「芸術の現場から」(県民公開授業) 映画配給の中野理惠先生による御講義

リレー講座の第2回(2019.10.15)は、映画の分野から、中野理惠先生(株式会社パンドラ代表取締役)にお越しいただきました。パンドラは、映画・映像の製作・輸入・配給を主な業務とする会社です。先生の御著書に『すきな映画を仕事にして』(現代書館、2018年)があります。

今回は、映画の配給をテーマに「映画が観客に届くまで」というタイトルで、外国映画の魅力を日本の観客にどのように伝えるのかというお話をうかがいました。

『エルミタージュ幻想』(ロシア、ドイツ、日本、2002年)

映画の配給業務とは、映画を観客に届けることであり、製作と興行(=上映)を繋ぐ役割を果たすもの、と説明する中野先生。
何本もの外国映画を実例に、最初の映画選びから、公開劇場との契約や邦題検討、字幕付け、宣伝など、上映に至るまでの課程を教えていただきました。

パンドラ設立のきっかけとなった『ハーヴェイ・ミルク』(アメリカ、1984年)

皆が驚いたのは、タイトルと広告デザインの意外性です。
原題の直訳や同じポスターデザインでは、歴史や文化が異なる日本では馴染まない、あるいは魅力が伝わらないものもあるため、日本の観客の感性に訴えかけるよう全く異なる観点から邦題やポスター、チラシを生み出すこともあるそうです。
その鮮やかな変わりように、教室からは歓声が上がりました。

『聖なる泉の少女』(ジョージア[グルジア]、リトアニア、2017年)

学生たちからは、映画配給の契約方法や興行成績、日本の観客の嗜好など、多岐にわたる質問があり、映画配給というクリエイティヴなお仕事に対する関心の高さがうかがわれました。

最後に、若い学生たちに向かって、将来どのような仕事に就くにしても、今のうちから、評価の定まったいい本を読み、映画や音楽、美術などの一級品に多く接すること、審美眼を養うことが大切、と語ってくださいました。

中野理惠先生、素敵なご講義をどうもありがとうございました。

============
2019年度「芸術の現場から」 2019年10月~2020年1月
火曜 16:20~17:50 群馬県立女子大学 2号館2階 CALL2号教室にて
スケジュールはこちらをご覧ください。
https://www.gpwu.ac.jp/dep/lit/art/schedule.html

2019年10月11日金曜日

2019年度後期授業「西洋美術史実地研修2」が始まりました!

第1回は、10月の猛暑日となりました。
群馬から横浜まで、ちょっと長旅。高崎線は絹の道。

横浜美術館で「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」展を見学しました。


フランス、パリのオランジュリー美術館からやって来た絵画が並ぶ展覧会です。

事前学習の発表風景

事前学習では、ルノワールや印象派、オランジュリー美術館について学びました。


色とりどりの絵画たちの、賑やかなおしゃべりを聞いているようでしたね。
同時開催中の横浜美術館コレクション展やペリー来航展も見学しました。

マグリット《レカミエ夫人》

この前に来ると、どうしてもニヤリ、うなずいてしまいます。

午後は散策気分で港の見える丘公園まで向かう予定でしたが、あまりの陽射しと暑さに、急きょバス利用に変更。

横浜市イギリス館

事前学習の発表風景

事前学習では、横浜山手西洋館全体について調べておきました。
横浜市イギリス館に入ってみると、ハロウィンの飾りつけにびっくり。
山手111番館の吹き抜けのホールには、すっかり魅了されました。

山手111番館

タイトなスケジュールでしたが、庭園や港の風景も楽しめたでしょうか?
他の場所にも行けたかな~?

2019年10月9日水曜日

芸術の現場から(10/8) 元木孝美さん :彫刻家

本年も芸術プログラム「芸術の現場から」(県民公開授業)が始まりました。
芸術分野で活躍する、ホットな話題をご自身の体験とともに提供していただく
リレー講座です。

今年の第一回目は、彫刻家の元木孝美さんにお越しいただきました。
元木さんは彫刻家で、今年の中之条ビエンナーレにも参加された作家の方です。
また、東北芸術工科大学の非常勤講師も務めていらっしゃいます。

今回初めてコール教室を使用しました。
スクリーンも見れますが、目の前に画像がうつるので見やすくていいですね!

元木さんにはこれまで参加されてきた中之条ビエンナーレのお話を
作家目線でいろいろとお話をいただいた後、ご自身のこれまでの
作品、また中之条ビエンナーレに出品されてきた作品のお話もしていただきました。

群馬で隔年開催されている中之条ビエンナーレの魅力、
中之条という場所で開催されるから参加したい!という気持ちの強い
作家が日本のみならず海外からも参加されていることなど
作家同士の交流の楽しさを情熱的にお話ししてくださいました。

また、ご自身の作品については「空間」そのものへの興味、
空間をいかに感じるかといったことのお話など
彫刻を通し愛てその可能性を表現したいとおっしゃっていました。


              (今年のビエンナーレ作品より)

なかなかアーティストのお話を聞く機会は少ないので
学生たちは熱心に聞き入っていました。
授業の最後には活発な質疑も行われ、とても充実した回でした。

2019年8月28日水曜日

アートマネジメントゼミが中之条ビエンナーレの情報発信を行っています

今年もはじまりました、中之条ビエンナーレ!!
会期始まって三日目、26日に情報発信のための取材に
アートマネジメントゼミ生5名で会場を回ってきました。
今年は初めて中之条、そして芸術祭を訪れる学生が多く、
新鮮な気分で回ってきました。

本日より会期終了まで学生目線による記事を
毎日どんどんアップしていきます。
別ブログにて公開中です。
https://kennjyosuteki.blogspot.com/

どうぞご覧ください!




2019年8月9日金曜日

R1年度「西洋美術史実地研修1」第4回研修

 今期最後の研修は梅雨が長引く7月に行いました。
 午前中は上野の国立西洋美術館で開館60周年記念「松方コレクション展」。
 同館は先年、スイス出身の建築家ル・コルビュジエの設計した建築物のひとつとして世界遺産に登録したことで知られますが、60年前の同館開館には、第二次世界大戦中にフランス政府により接収されていた松方幸次郎のコレクションが戦後になって変換され、変換の条件が国立の西洋美術館を開設することであったことに始まります。
発表は緊張しますね。
西洋の美術の歴史を日本人に伝える美術館建設は、松方幸次郎自身の夢でもありました。彼のコレクションの中でも白眉はモネ自身から購入した作品群でしょう。


 代表的な作品として「睡蓮」があり、本展も最初の展示作品は美術館所蔵の「睡蓮」。最後の展示作品はフランスで留め置かれている間に傷んでしまい、近年修復が行われた大作「睡蓮、柳の反映」。ということで、事前学習では「松方コレクション」についてとモネの「睡蓮」連作について調べてきました。モネが画業の中で3期に分けて「睡蓮」連作にとりくんでいること、最終的には大作を納める美術館オランジュリーが開設されたことなどを踏まえて、作品鑑賞に臨みます。
 戦前の個人コレクションを展示するということで、最初の展示室では従来の作品展示方法とは異なり、壁一面に数段に分けて作品を展示するという20世紀初頭までは個人コレクションの展示で一般的な展示方法がとられていました。

 

常設展示室ではフィンランドの女性画家たちをとりあげた「モダン・ウーマン」展も開催されていました。いまだ他のヨーロッパ諸国では国立美術学校に女性が受け入れられていなかった19世紀半ば、フィンランドでは女性も国立の学校で美術を学び、奨学金を得て、フランスやイタリアなどへ留学することができたそうです。

 午後は目黒にある東京都庭園美術館で「キスリング展」を鑑賞しました。

 事前学習として、「キスリングについて」予習するとともに、合わせて彼のように20世紀初頭パリで活動していた外国人画家たちを総称する「エコール・ド・パリ」の画家たちについても学んでから鑑賞。


 雨に濡れた新緑も美しい広大な庭を備えた東京都庭園美術館は、アール・デコ様式で建てられた旧朝香宮邸を本館としており、建物そのものやその随所に見られるデザインも見どころのひとつです。事前学習では「東京都庭園美術館とアール・デコ」についても予習。いたるところに贅をこらした邸宅は作品とともに目を楽しませてくれましたね。
キスリングが活躍した時代と旧朝香宮邸の建設時期はかさなっており、ほぼ同時代の建物の中で作品を見るという貴重な経験ができたでしょう。
今期の最後を飾るにふさわしい鑑賞経験だったのではないでしょうか。
         








2019年7月30日火曜日

群馬県立館林美術館 「キラキラ☆ビー玉万華鏡を作ろう!」ワークショップを開催します。

群馬県立女子大学×群馬県立館林美術館キラキラ☆ビー玉万華鏡を作ろう!
をアートマネジメントゼミ生が開催します。

ミラー工作紙やビー玉を使って、見慣れた風景をキラキラと輝く世界として見つめ直せるような自分だけの万華鏡を作ります。

日時 8/18(日)午後1時~3時 
対象 幼児~一般(小学3年生以下は保護者同伴)
定員 先着100名 *12時45分よりエントランスホールにて整理券を配布
協力 群馬県立女子大学 奥西ゼミ
会場 別館ワークショップ室
*制作した作品はお持ち帰りいただけます。 
ぜひお越しください。