2023年1月30日月曜日

群馬近美と高崎市美を見学しました

2022年度後期授業「西洋美術史実地研修2」では、1月21日(土)に群馬県立近代美術館と高崎市美術館を見学しました。どちらも今期2回めです。

群馬県立近代美術館では、企画展「アートのための場所づくり 1970年代から90年代の群馬におけるアートスペース」が開催中です。その初日に訪問させていただきました。

田中龍也学芸員(写真左)に展示室でレクチャーを受けながら、群馬のアート活動について学びました。

展覧会では、前橋市の書店である煥乎堂が展開していた「煥乎堂ギャラリィ」をはじめとする、県内の5つの活動拠点が紹介されています。
群馬県立近代美術館が開館したのは1974年。現在の展示の紹介を含め、約半世紀にわたる群馬のアート活動を振り返る、県立美術館ならではの意欲的な展覧会です。

1980年に開学した本学も、やはり同じ時代を共有してきました。1982年設立のコンセプトスペース(渋川市)と本学とがコラボした展覧会の葉書も展示されています。また、本学卒業生による寄贈《鳩(日時計)》(1987年)の作者である住谷正巳の作品や煥乎堂ギャラリィでの個展パンフレットなどもあり、本学にとっても身近な展覧会といえます。

企画展の後は、コレクション展示において、ルノワールやモネ、シャガール、ロダンやマイヨールをはじめとする西洋近代美術の作品などを鑑賞しました。

次に高崎市美術館で収蔵作品展 特集展示「Love Pop _ various works centered on Pop Artウォーホール、リクテンスタインなど-ポップ・アートを中心に」を見学しました。

「ポップ・アート」は、「ポピュラー(大衆的な)・アート」の略語です。1950年代にイギリスで誕生し、1960年代にアメリカで大きく花開きました。
展覧会タイトルのLove Popには、「半世紀過ぎてなお愛されるポップ・アート」というコンセプトが込められているそうです。

見学前に、柴田純江学芸員から展覧会についてのレクチャーを受けました。ポップ・アートを切り取るというよりは、美術史における位置づけを考察する体系的なご講義でした。

会場入口では、本展覧会企画ご担当の谷津淑恵学芸員から、展覧会の構成についてレクチャーを受けました。

ポップ・アートの先駆者ジャスパー・ジョーンズに始まり、ロイ・リクテンスタインやアンディ・ウォーホル、ロバート・インディアナ、さらには彼らの作品をもとに独自の作風で制作を行う渡辺おさむや森洋史の作品が展示されており、現在に至るまでの一連のポップ・アートの動向を目にすることができる展覧会でした。

見学にあたり、両美術館スタッフの方々に大変お世話になりました。
どうもありがとうございました。

群馬県立近代美術館  https://mmag.pref.gunma.jp/
高崎市美術館  https://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2014011000353/

今年度の「西洋美術史実地研修2」はこれで終了です。
群馬や東京で重厚な作品と出会える機会となりました。

2022年11月15日火曜日

高崎市立美術館「ワークショップ『ミュシャのイラスト入門』」で「美術科教育法Ⅲ」受講生が参考作品制作、活動サポートを行いました

 本学科のアートマネジメントゼミ、授業では群馬県の様々な美術館と

連携事業をおこなっていますが、

今回は教員奥西が高崎市立美術館の「ワークショップ『ミュシャのイラスト入門』」の

講師を務めることとなりました。

そこで、教職課程の「美術科教育法Ⅲ」受講生5名に参考作品を

制作してもらい、ワークショップ当日も参加者の活動サポートを行ってもらいました。

イラストは結構得意で好きな学生たち、でもイラストの上達方法は

どうしたらいいのか?また憧れのミュシャの作品のように描けるようには・・・?

など、授業でディスカッションを行いながら、イラスト初心者でも

簡単にステキな絵が描けるメソッドを考えました。


授業内ではそのメソッドをもとに参考作品を制作。

みんな集中して作品を作りました。



その後、いよいよ11月6日のワークショップを迎えました。大勢の参加者の方に参考作品として提示しながら、個別にアドバイスや自身の経験をもとに対話をしていました。
来年教育実習に行く皆さんにとって、いい経験になりましたね。
「自分でどんどん制作を進められる人はいいけれど、
迷っている人や作業が止まる人へどのようにアドバイスをしたらいいのか」など、
学内の授業のみではわからなかったことなどに気づくことが出来ました。



参加者の方々も2時間すごい集中力で皆さんステキな作品を仕上げられていました。
そして今回は館長も飛び入り参加で作品制作をされていました!
ご参加いただいた方、ありがとうございました。

「アートマネジメント演習2」でだるま工房『中喜屋』さんに見学に行きました

 10月31日、秋晴れの日。

「アートマネジメント演習2」受講生20名が

高崎のだるま工房『中喜屋』さんに見学に行きました。

本授業では群馬の伝統工芸を普及する企画立案を行うのですが、

まずは様々な伝統工芸について知るということで

毎年見学をさせていただいています。


峯岸さんよりお話を伺い、だるまの歴史や世界から集めただるまの展示『達磨館』を見学させていただきました。そのコレクションの多さに学生たちもびっくり!



工房ではだるまの制作過程を拝見することが出来、身近な伝統工芸の現場を体感することが出来ました。この後授業では峯岸様よりいただいた白い達磨に自由に絵付けをする創作達磨の制作もしました。
峯岸様、今年もお世話になりました。ありがとうございました。


2022年11月12日土曜日

群馬近美を見学しました

2022年度後期授業「西洋美術史実地研修2」では、11月12日(土)に群馬県立近代美術館を見学しました。
群馬県立近代美術館は、磯崎新による設計で1974年に開館しました。湯浅一郎や山口薫といった群馬ゆかりの作家たちの作品や日本の近現代美術、また西洋ではモネやルノワールの絵画、ピカソ《ゲルニカ》のタピスリーなどがコレクションされています。
今回は「理想の書物-英国19世紀挿絵本からプライヴェート・プレスの世界へ-」を見学しました。
ツグミが苺をついばむ「いちご泥棒」などのデザインで知られるウィリアム・モリス(1834-1896年)による、理想の美を追求した書物などが並びます。

19世紀後半の英国では、印刷機械によって書物が量産されるようになりますが、19世紀末には、小規模ながらも著作選びから紙、活字、装丁まですべてにこだわった「理想の書物」もつくられるようになりました。それが「プライヴェート・プレス運動」です。
作品鑑賞にあたり、松下由里学芸員による講演会に参加しました。 ご講演では、18世紀末から20世紀初頭までの英国の書物について詳しく解説していただきました。
講演後に展示を見ると、それらの書物がいかに貴重な作品であるかがよく分かりました。
見学にあたり、スタッフの方々にお世話になりました。
どうもありがとうございました。

群馬県立近代美術館ウェブページ https://mmag.pref.gunma.jp/

2022年10月20日木曜日

「西洋美術史実地研修2」高崎市美術館に行ってきました

2022年度後期授業「西洋美術史実地研修2」が始まりました。

本授業は、前期授業と同様に、博物館施設での見学実習において作品実見することで、美術史学的な作品鑑賞方法を身につけるとともに、多様な博物館施設の運営実態を理解し、作品の展示方法について企画側の視点で鑑賞することを目的としています。
第1回(10月8日)は、高崎市美術館「アルフォンス ミュシャ展 美しき時代の女神たち」を見学してきました。チェコ出身のミュシャ(1860-1939年)は、19世紀末から20世紀初頭のパリでおもにポスター画家として活躍しました。
最初に柴田純江学芸員から、ミュシャの生涯や作風や、「ベル・エポック」と呼ばれた同時代のパリを彩った画家たち、本展覧会の見どころ、また高崎市美術館や隣接する旧房一郎邸についてレクチャーを受けました。

「ベル・エポック」は「美しき時代」という意味です。ミュシャの作品は女性が特徴的であり、その時代に君臨する女神たちのような存在であるということから、本展覧会のタイトルに「美しき時代の女神たち」という副題を付けたそうです。
祖国チェコを愛し続けたミュシャ(チェコ語読みでムハ)は、1910年にチェコに戻り、やがて大作の《スラブ叙事詩》連作を描きました。 本展覧会では、華やかなパリのポスターの中にも画家のチェコに対する想いが一つの音楽のように奏でられています。
旧井上房一郎邸も見学しました。井上房一郎(1898-1993年)は、高崎市の文化振興に大きく貢献した人物です。美術館に隣接する同氏の旧邸は、チェコ出身の建築家であり、群馬音楽センター(高崎市)設計者のアントニン・レーモンド(1888-1976年)の自邸兼事務所を写した建物として知られています。

高崎市美術館の柴田学芸員をはじめ、スタッフの皆さま、お蔭様で充実した研修となりました。どうもありがとうございました。

2022年10月2日日曜日

9月23日にアートマネジメントゼミが富岡まちなかわくわくワークショップ、高橋綾先生の「遊ぶデザイン展in富岡」を開催しました。

アートマネジメントゼミでは

 昨年より富岡市のまちなかにぎわい課と連携した事業を継続しています。

今年は初の試みとして、「富岡まちなかわくわくワークショップ」を富岡市役所しるくるひろばおよび議会棟で9月23日に開催しました。この取り組みは富岡市内でのにぎわいを行政と連携し、大学生が運営主体となり創出するものです。

これまで美術館との連携は長年継続していましたが、館内から屋外に出て、また異なる客層にも造形活動に親しんでもらうように試みたものです。

さらに同時開催として高橋先生の作品を一日限り展示し、来場者の方にふれて、また遊んで楽しんでいただくこととしました。

当日はあいにくの雨で、朝の準備時間は少し不安が・・・・

しかし、10時の開始前になると次々と雨の中親子連れの方がいらしてくれました!

受け付けを済ませて、好きなブースを回ってもらいます。

屋外では「ふわふわの泡遊び」、「スズランテープで遊ぼう!」の二つの造形体験が出来ます。また高橋先生の作品「ウゴクネリ」にも試乗できます。




屋内では「人型アート」、「お月見ショーウィンドー」を体験でき、

高橋先生の遊ぶデザイン展が二会場に設置されました。



さらに会場を巡るスタンプラリーではがらがらもできるということで

張り切って回る子どもたちのにぎやかな姿が見られました。

いろいろなブースがあり、家では体験できないものばかりで楽しかったという声を多数いただきました。

午前、午後とたくさんの方にご来場いただき楽しく学生たちも参加者の方々と交流できました。

ありがとうございました!


2022年9月27日火曜日

8月21日に館林美術館でアートマネジメントゼミがワークショップを行いました

毎年夏の企画展示に合わせてアートマネジメントゼミではワークショップを行っています。
今年は佐藤忠良展にちなみ、粘土に触れるプログラム「ミニチュア彫刻を作ろう」を開催しました。

やわからく、手につかない粘土を使って参加者の皆さんに好きな
ものを作ってもらい、予め学生が準備した石膏の台座に置き、
ミニチュア彫刻を作ります。


事前予約、満員御礼で90名の方にご参加いただきました。

参加者の方はおもいおもいのかたちを作り、
中には図鑑や資料を持ち込む強者も!
学生たちもサポートをしながら粘土の表現の幅広さに感心していました。




最後にコメントシートにタイトルと簡単なコメントを書いていただきました。
とても充実したワークショップで来館者の皆さんと交流を深めることが出来ました。
また来年!