2024年12月17日火曜日

2024年度「西洋美術史実地研修1」第4回を実施しました

2024年12月14日(土)に実施した第4回実地研修では、アーティゾン美術館(東京)を見学しました。
午前中は、教育普及部の細矢芳学芸員からレクチャーを受けました。
ブリヂストン美術館の創設からアーティゾン美術館に改称して再開館するまでの歴史や、美術館のコレクションについて、また、開催中の3つの展覧会の概要や見どころを教えていただきました。
その後、一度展覧会場に向かい、3つの展覧会「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子―ピュシスについて」「ひとを描く」「石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 マティスのアトリエ」を一通り各自で見学してから、レクチャー室に再集合し、今度は感想や質問による対話型のレクチャーとなりました。
学生たちからの積極的な発言と、細矢学芸員の学生たちに寄り添いながら話を展開させていくコメントによって活発な質疑応答となりました。
また、教育普及の具体的な内容や意義についてもお話をうかがいました。教育普及とは、多くの人々と美術館とをつなぐ、重要でクリエイティブな活動であると学生たちも実感したのではないでしょうか。

午後は、レクチャーでの学びや事前課題の予習をもとに各自で展覧会を見学しました。
「ピュシスについて」

「ひとを描く」ギリシア陶器

今回の研修では、細矢学芸員をはじめ、美術館のスタッフの方々に大変お世話になりました。どうもありがとうございました。

2024年度「西洋美術史実地研修1」(学芸員課程科目「博物館実習Ⅰ」)は、今回の研修をもって無事に終了しました。(授業担当教員 藤沢桜子)

2024年12月2日月曜日

2024年度「西洋美術史実地研修1」第3回を実施しました

2024年11月30日(土)に第3回実地研修を実施しました。

午前中は、パナソニック汐留美術館(新橋)の「ベル・エポック―美しき時代」展を見学しました。
「ベル・エポック」とは、フランス語で「美しき時代」または「良き時代」のことで、19世紀末から第一次世界大戦が勃発する1914年頃までの、パリを中心とした華やかで享楽的な雰囲気の芸術文化を象徴しています。
ジュール・シェレによるポスターを鑑賞

19世紀末のパリでは、ジュール・シェレ(1836-1932年)やアンリ・トゥールーズ=ロートレック(1864-1901年)によるポスターが街の外壁を飾っていました。

美術作品のほかにも、文学や音楽、ファッションなど、多様な領域の動向に注目した充実した展覧会でした。


午後は、三菱一号館美術館(東京)の「『不在」』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」展を見学しました。

展覧会の見学前に、美術館室の石神氏(管理運営担当)が三菱一号館の建物や美術館コレクションのコンセプトなどについてレクチャーをしてくださいました。
三菱一号館美術館は、1894年に三菱が建設したオフィス・ビルを復元しています。当初の建物は、イギリス人建築家ジョサイア・コンドル(1852-1920年)によって設計されました。ロートレック作品など、19世紀末の西洋美術作品が主なコレクションとなっています。
2023年4月からの設備メンテナンス休館を経て、この11月に再開館しました。
「不在」の展覧会は、美術館の再開を記念して開催されました。

はじめに、ロートレックのポスター作品や彼の周辺の人物たちなどのリトグラフが多数展示されており、「不在」「存在」の観点から鑑賞できるような構成となっていました。
続いて、現代フランスの美術家ソフィ・カルの「不在」をテーマとした写真や映像作品などを鑑賞しました。
美術館の再開館に伴って新設された小展示室にて小企画展の第一弾「坂本繁二郎とフランス」もあり、日本と西洋の両視点から学ぶことができました。
三菱一号館前にて

今回の研修では、パナソニック汐留美術館と三菱一号館美術館のスタッフの皆様に大変お世話になりました。 どうもありがとうございました。