2022年11月15日火曜日

高崎市立美術館「ワークショップ『ミュシャのイラスト入門』」で「美術科教育法Ⅲ」受講生が参考作品制作、活動サポートを行いました

 本学科のアートマネジメントゼミ、授業では群馬県の様々な美術館と

連携事業をおこなっていますが、

今回は教員奥西が高崎市立美術館の「ワークショップ『ミュシャのイラスト入門』」の

講師を務めることとなりました。

そこで、教職課程の「美術科教育法Ⅲ」受講生5名に参考作品を

制作してもらい、ワークショップ当日も参加者の活動サポートを行ってもらいました。

イラストは結構得意で好きな学生たち、でもイラストの上達方法は

どうしたらいいのか?また憧れのミュシャの作品のように描けるようには・・・?

など、授業でディスカッションを行いながら、イラスト初心者でも

簡単にステキな絵が描けるメソッドを考えました。


授業内ではそのメソッドをもとに参考作品を制作。

みんな集中して作品を作りました。



その後、いよいよ11月6日のワークショップを迎えました。大勢の参加者の方に参考作品として提示しながら、個別にアドバイスや自身の経験をもとに対話をしていました。
来年教育実習に行く皆さんにとって、いい経験になりましたね。
「自分でどんどん制作を進められる人はいいけれど、
迷っている人や作業が止まる人へどのようにアドバイスをしたらいいのか」など、
学内の授業のみではわからなかったことなどに気づくことが出来ました。



参加者の方々も2時間すごい集中力で皆さんステキな作品を仕上げられていました。
そして今回は館長も飛び入り参加で作品制作をされていました!
ご参加いただいた方、ありがとうございました。

「アートマネジメント演習2」でだるま工房『中喜屋』さんに見学に行きました

 10月31日、秋晴れの日。

「アートマネジメント演習2」受講生20名が

高崎のだるま工房『中喜屋』さんに見学に行きました。

本授業では群馬の伝統工芸を普及する企画立案を行うのですが、

まずは様々な伝統工芸について知るということで

毎年見学をさせていただいています。


峯岸さんよりお話を伺い、だるまの歴史や世界から集めただるまの展示『達磨館』を見学させていただきました。そのコレクションの多さに学生たちもびっくり!



工房ではだるまの制作過程を拝見することが出来、身近な伝統工芸の現場を体感することが出来ました。この後授業では峯岸様よりいただいた白い達磨に自由に絵付けをする創作達磨の制作もしました。
峯岸様、今年もお世話になりました。ありがとうございました。


2022年11月12日土曜日

群馬近美を見学しました

2022年度後期授業「西洋美術史実地研修2」では、11月12日(土)に群馬県立近代美術館を見学しました。
群馬県立近代美術館は、磯崎新による設計で1974年に開館しました。湯浅一郎や山口薫といった群馬ゆかりの作家たちの作品や日本の近現代美術、また西洋ではモネやルノワールの絵画、ピカソ《ゲルニカ》のタピスリーなどがコレクションされています。
今回は「理想の書物-英国19世紀挿絵本からプライヴェート・プレスの世界へ-」を見学しました。
ツグミが苺をついばむ「いちご泥棒」などのデザインで知られるウィリアム・モリス(1834-1896年)による、理想の美を追求した書物などが並びます。

19世紀後半の英国では、印刷機械によって書物が量産されるようになりますが、19世紀末には、小規模ながらも著作選びから紙、活字、装丁まですべてにこだわった「理想の書物」もつくられるようになりました。それが「プライヴェート・プレス運動」です。
作品鑑賞にあたり、松下由里学芸員による講演会に参加しました。 ご講演では、18世紀末から20世紀初頭までの英国の書物について詳しく解説していただきました。
講演後に展示を見ると、それらの書物がいかに貴重な作品であるかがよく分かりました。
見学にあたり、スタッフの方々にお世話になりました。
どうもありがとうございました。

群馬県立近代美術館ウェブページ https://mmag.pref.gunma.jp/

2022年10月20日木曜日

「西洋美術史実地研修2」高崎市美術館に行ってきました

2022年度後期授業「西洋美術史実地研修2」が始まりました。

本授業は、前期授業と同様に、博物館施設での見学実習において作品実見することで、美術史学的な作品鑑賞方法を身につけるとともに、多様な博物館施設の運営実態を理解し、作品の展示方法について企画側の視点で鑑賞することを目的としています。
第1回(10月8日)は、高崎市美術館「アルフォンス ミュシャ展 美しき時代の女神たち」を見学してきました。チェコ出身のミュシャ(1860-1939年)は、19世紀末から20世紀初頭のパリでおもにポスター画家として活躍しました。
最初に柴田純江学芸員から、ミュシャの生涯や作風や、「ベル・エポック」と呼ばれた同時代のパリを彩った画家たち、本展覧会の見どころ、また高崎市美術館や隣接する旧房一郎邸についてレクチャーを受けました。

「ベル・エポック」は「美しき時代」という意味です。ミュシャの作品は女性が特徴的であり、その時代に君臨する女神たちのような存在であるということから、本展覧会のタイトルに「美しき時代の女神たち」という副題を付けたそうです。
祖国チェコを愛し続けたミュシャ(チェコ語読みでムハ)は、1910年にチェコに戻り、やがて大作の《スラブ叙事詩》連作を描きました。 本展覧会では、華やかなパリのポスターの中にも画家のチェコに対する想いが一つの音楽のように奏でられています。
旧井上房一郎邸も見学しました。井上房一郎(1898-1993年)は、高崎市の文化振興に大きく貢献した人物です。美術館に隣接する同氏の旧邸は、チェコ出身の建築家であり、群馬音楽センター(高崎市)設計者のアントニン・レーモンド(1888-1976年)の自邸兼事務所を写した建物として知られています。

高崎市美術館の柴田学芸員をはじめ、スタッフの皆さま、お蔭様で充実した研修となりました。どうもありがとうございました。

2022年10月2日日曜日

9月23日にアートマネジメントゼミが富岡まちなかわくわくワークショップ、高橋綾先生の「遊ぶデザイン展in富岡」を開催しました。

アートマネジメントゼミでは

 昨年より富岡市のまちなかにぎわい課と連携した事業を継続しています。

今年は初の試みとして、「富岡まちなかわくわくワークショップ」を富岡市役所しるくるひろばおよび議会棟で9月23日に開催しました。この取り組みは富岡市内でのにぎわいを行政と連携し、大学生が運営主体となり創出するものです。

これまで美術館との連携は長年継続していましたが、館内から屋外に出て、また異なる客層にも造形活動に親しんでもらうように試みたものです。

さらに同時開催として高橋先生の作品を一日限り展示し、来場者の方にふれて、また遊んで楽しんでいただくこととしました。

当日はあいにくの雨で、朝の準備時間は少し不安が・・・・

しかし、10時の開始前になると次々と雨の中親子連れの方がいらしてくれました!

受け付けを済ませて、好きなブースを回ってもらいます。

屋外では「ふわふわの泡遊び」、「スズランテープで遊ぼう!」の二つの造形体験が出来ます。また高橋先生の作品「ウゴクネリ」にも試乗できます。




屋内では「人型アート」、「お月見ショーウィンドー」を体験でき、

高橋先生の遊ぶデザイン展が二会場に設置されました。



さらに会場を巡るスタンプラリーではがらがらもできるということで

張り切って回る子どもたちのにぎやかな姿が見られました。

いろいろなブースがあり、家では体験できないものばかりで楽しかったという声を多数いただきました。

午前、午後とたくさんの方にご来場いただき楽しく学生たちも参加者の方々と交流できました。

ありがとうございました!


2022年9月27日火曜日

8月21日に館林美術館でアートマネジメントゼミがワークショップを行いました

毎年夏の企画展示に合わせてアートマネジメントゼミではワークショップを行っています。
今年は佐藤忠良展にちなみ、粘土に触れるプログラム「ミニチュア彫刻を作ろう」を開催しました。

やわからく、手につかない粘土を使って参加者の皆さんに好きな
ものを作ってもらい、予め学生が準備した石膏の台座に置き、
ミニチュア彫刻を作ります。


事前予約、満員御礼で90名の方にご参加いただきました。

参加者の方はおもいおもいのかたちを作り、
中には図鑑や資料を持ち込む強者も!
学生たちもサポートをしながら粘土の表現の幅広さに感心していました。




最後にコメントシートにタイトルと簡単なコメントを書いていただきました。
とても充実したワークショップで来館者の皆さんと交流を深めることが出来ました。
また来年!

2022年8月10日水曜日

R4「西洋美術史実地研修1」第4回研修

第4回研修は7月にリニューアルオープンした群馬県立近代美術館へ。 企画展「うるわしき薔薇―ルドゥーテを中心に」と常設コレクション展を見学しました。

鑑賞前には学芸員の方々から企画展・常設展についてレクチャーいただきました。
 
 企画展は薔薇をテーマにしたル・ドゥーテの版画「バラ図譜」を中心に、戦後日本の育種家・鈴木省三による「バラ花譜」の二口善雄による挿絵の水彩原画、資生堂の調香師の本のための群馬出身の写真家・石内都による薔薇の写真という三部構成。
 企画の苦労話や予算面といったここならではのお話もあり、また、版画など紙の展示の場合、保存のため照度を100ルクスに落とすが、今回、ルドゥーテの版画の展示ではさらに50ルクスにまで落としているなど、作品の展示と共に保存を担う美術館としての配慮などについても伺えました。

常設展のレクチャーでは、コレクションの収集方針や今回、出展されているピカソによる「ゲルニカ」をタピスリーにした「ゲルニカ・タピスリー」を中心にお話いただけました。
 布や紙など繊細な素材の作品は、保存上の問題から年間展示日数が定められています。
そのため「ゲルニカ・タピスリー」は群馬県立近代美術館では毎年年一回、夏のコレクション展で展示され、展示室の照度も100ルクスに落とされていると教わりました。
 このほか今回の常設展では、今年、生誕110年を迎える群馬出身のオノサトトシノブの特集展示やルドンの版画作品が展示され、日本美術セクションでは企画展に合わせて「花いろいろ」という特集展示がされていることなどを予習できました。

 鑑賞は企画展から。(展示室撮影には許可をいただいております)ルドゥーテによる精緻な版画作品に食い入るように眺め入ります。
薔薇の歴史で始まり、作品は薔薇の種類別に展示されていました。ルドゥーテの版画は多色刷りに更に水彩で補色されていますが、事前のレクチャーによると、その補色は主に女性たちが担っており、近年、ルドゥーテの出身地フランスでは彼が女性画家たちを育てたという功績が注目を浴びているようです。

 ルドゥーテの作品に続けて二口の水彩画を見ると、二口の作品にはどこか琳派など日本の花鳥画の伝統を感じさせるところがあるのに気が付かされます。最後のセクションは石内さん自身がインスタ―レーションした薔薇の写真とビデオアート。植物学や園芸への関心から咲き誇る姿が描かれたルドゥーテや二口の植物画と異なり、萎れゆく姿をもとらえた写真は逆に薔薇の生命力を写し取っているようです。

お昼休憩をはさんで、午後は2階に展示されている常設コレクション展へ。
まずは日本と西洋の近代絵画から。

中央のロダンによる彫刻を眺めたり、メモをとったり。
「ゲルニカ・タピスリー」も本館では至近距離で鑑賞でき、その大きさを感じるとともに、細部までじっくり観察できました。
展示に合わせて「ゲルニカ」の制作経緯やピカソによる初期構想を表すデッサンなども展示されており、制作の過程を知ることも。
  
オノサト・トシノブのシルクスクリーンによるカラフルな抽象とルドンの黒を基調とした幻想的な版画シリーズが続きます。


現代絵画セクションでは、福田美蘭《リンゴとオレンジ》、上田薫《なま卵》、草間彌生《レペティティブ・ヴィジョン-ファルス・ボート》と目玉作品などがそろって展示されているという充実した内容でした。
日本美術セクションとの間にも現代美術の立体作品が展示されていました。
 
 一人作品と向き合ったり、あるいは友達と話し合ったり、磯崎新設計の静謐な空間のなかで充実した時間が過ごせたようです。

2022年8月8日月曜日

富岡市立美術博物館で「アートマネジメント演習1」受講生が「第8回 夏休みわくわくワークショップ」を開催しました

 7月24日(日)に富岡市立美術博物館で「第8回 夏休みわくわくワークショップ」を開催しました。

例年3,4年次対象の「アートマネジメント演習1」の授業で、

子ども向けのプログラムを開発し、美術館で実践を行う活動です。

今年は4つのグループがそれぞれプログラムを開発して実践を行いました。

まだコロナ禍ということもあり、予約制、定員を設けての開催でしたが、感染対策をしっかりと行い、安全に実施することが出来ました。





参加されたご家族の皆さんは思い思いの造形を楽しみ、
学生は個々に合わせてアドバイスや声がけを行っていました。

「暗闇で光る」、「魚釣りを楽しむ」など夏らしいプログラムが体験出来て
皆さんとても満足されたようでした。

授業で考案したことを実際にやってみることで、
様々な気づきがありますね。

来年もまた頑張りましょうね。