「西洋美術史実地研修」は、美学美術史学科の専門教育科目であるとともに、学芸員課程科目の「博物館実習I」としても開講されています。本授業は、西洋美術の作品を実見して教室での学びを深め、美術館・博物館の展示や運営の実態を学ぶことを目的としています。
第1回(10月11日)の午前中は、SOMPO美術館(新宿)の「モーリス・ユトリロ展」を見学しました。
ユトリロ(1883-1955年)は、パリの街並みを詩情豊かに描いた風景画家です。展覧会は、彼の作品が制作時期ごとに章立てられた構成になっていたほか、会場には日本におけるユトリロの受容についてのコーナーもありました。
最後に美術館所蔵のフィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890年)《ひまわり》を鑑賞して上野に向かいました。
午後は、東京都美術館の「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」を見学しました。
展覧会では、兄であるゴッホを支え、彼の死から半年後に死去した弟テオの遺族たち、テオの妻ヨーと彼らの息子フィンセントによる、ゴッホ作品の周知及び保存活動に焦点が当てられていました。会場では、1973年に開館したファン・ゴッホ美術館(アムステルダム)のコレクションであるゴッホやその時代の画家たちの作品などが展示されていました。