2019年1月23日水曜日

「芸術の現場から」(県民公開授業) 映画監督の冨樫森先生によるご講義

リレー講座の第12回(2019.1.15)は、映画監督の冨樫森先生にお越しいただきました。



冨樫森監督は1998年に相米慎二監督のオムニバス映画『ポッキー坂恋物語 かわいい人』の一本を監督された後、『おしん』など数々の映画を監督されている先生です。最近は舞台演出や、また俳優の育成のお仕事も精力的になさっていらっしゃいます。2017年に出版された『俳優の演技術』では、脚本の読み方、役の作り方を丁寧に説明されています。



今日の講義では、「演じること」をA「演技する身体を作ること」とB「台本の要求を伝えること」に分類された上で、内田吐夢監督の映画『飢餓海峡』の一つのシーンを題材にして、まずこの脚本の核心は何で、一つ一つの台詞の「言外の意味(サブテキスト)」をどのようにして見出すのかを、受講生に質問し、あるいは台本を演じて自分で探り出すというインタラクティブな方法で教えて下さいました。


登場人物を理解するためにその人物の「履歴書」を書いてみること、そのとき、その人がどんな風に育ち何がその人のトラウマになっているのかを考えることが大切だ、など、演技することについて、映画監督らしいご講義でした。

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平成30年度「芸術の現場から」
10月~来年1月 火曜16:20~17:50 群馬県立女子大学 新館1階第1講義室にて
スケジュールはこちらをご覧ください。
https://www.gpwu.ac.jp/dep/lit/art/2017.html

2019年1月13日日曜日

「芸術の現場から」(県民公開授業) オペラ歌手の日向由子先生によるご講義

リレー講座の第11回(2019.1.8)は、オペラ歌手の日向由子先生にお越しいただきました。

Al di là ~♪

日向先生は、藤原歌劇団団員、日本演奏連盟会員で、数多くのコンクールで入賞しています。現在は、クラシックからポップスまで幅広く活動をなさっています。

登場にあわせて最初に一曲。
1961年のサンレモ音楽祭の優勝曲『アル・ディ・ラ』を、メゾソプラノの美しい歌声で格調高く歌ってくださいました。

東京藝術大学声楽科を卒業後、イタリアに留学、パルマ国立音楽院を卒業して帰国。
その時、音楽活動とともにイタリア語教師としての新たな道も進むことになりました。

今回は、オペラについて、そしてイタリア人のジェスチャーについて教えていただきました。

オペラはマイクを使わず、生声で歌うので上演期間は短いそうです。たった数日の公演のために何カ月も準備をするという、その水面下の努力に皆心打たれました。

「帰る」のジェスチャー


イタリア語教材のDVDを見ながら、ジェスチャーについて学びます。
知らず知らずのうちに、一緒に手が動いていました。
非言語コミュニケーションのジェスチャーはなんとも雄弁でした。

話を聴きに行っただけのはずのイタリア文化会館で、突然、留学先が決まったり、
留学時には考えていなかったイタリア語の教師にもなったり、「人生何が起こるかわからない」。
けれども、それが新しい出会いとなっていく、その機会を大切にしたいと話してくださいました。


現在、4月の『アイーダ』公演に向けて準備をなさっている日向先生。
公演の成功をお祈りしております。

日向由子先生、ご講義をどうもありがとうございました。


日向由子先生ホームページ http://www.hinata-pulcino.com/

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平成30年度「芸術の現場から」
10月~来年1月 火曜16:20~17:50 群馬県立女子大学 新館1階第1講義室にて
スケジュールはこちらをご覧ください。
https://www.gpwu.ac.jp/dep/lit/art/2017.html