第3回(11月15日)は、上野の国立西洋美術館を見学しました。
午前中は企画展「オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語」を鑑賞しました。印象派の作品というと、モネの《睡蓮》のように屋外のモティーフを思い浮かべがちですが、本展覧会では人物や静物など屋内のモティーフを描いた作品が多く集まっていました。
午後は常設展のほか、「フルーニング美術館・国立西洋美術館所蔵 フランドル聖人伝板絵―100年越しの“再会”」と「物語る黒線たち―デューラー「三大書物」の木版画」もあわせて鑑賞しました。
美学美術史学科では、美学、日本美術史、西洋美術史、美術実技、アートマネジメントの各分野を学ぶことができます。このブログとX(https://x.com/aesth1)では、学科の活動の最新ニュースを紹介しています。学科のより詳しい紹介は、本学HPの学科案内をご覧ください。 https://www.gpwu.ac.jp/dep-pos/dep/lit/art/index.html
第3回(11月15日)は、上野の国立西洋美術館を見学しました。
午前中は企画展「オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語」を鑑賞しました。印象派の作品というと、モネの《睡蓮》のように屋外のモティーフを思い浮かべがちですが、本展覧会では人物や静物など屋内のモティーフを描いた作品が多く集まっていました。
午後は常設展のほか、「フルーニング美術館・国立西洋美術館所蔵 フランドル聖人伝板絵―100年越しの“再会”」と「物語る黒線たち―デューラー「三大書物」の木版画」もあわせて鑑賞しました。
第2回(10月26日)は、近隣の群馬県立近代美術館を見学しました。
同美術館には、群馬ゆかりの美術や日本近代美術のほか、ルノワール、モネ、ピカソなどの海外近代美術、また現代美術のコレクション作品があります。
見学にあたり、教育普及係の黒田隆之氏が美術館や開催中の展覧会についてレクチャーをしてくださいました。
「西洋美術史実地研修」は、美学美術史学科の専門教育科目であるとともに、学芸員課程科目の「博物館実習I」としても開講されています。本授業は、西洋美術の作品を実見して教室での学びを深め、美術館・博物館の展示や運営の実態を学ぶことを目的としています。
第1回(10月11日)の午前中は、SOMPO美術館(新宿)の「モーリス・ユトリロ展」を見学しました。
ユトリロ(1883-1955年)は、パリの街並みを詩情豊かに描いた風景画家です。展覧会は、彼の作品が制作時期ごとに章立てられた構成になっていたほか、会場には日本におけるユトリロの受容についてのコーナーもありました。
最後に美術館所蔵のフィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890年)《ひまわり》を鑑賞して上野に向かいました。
午後は、東京都美術館の「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」を見学しました。
展覧会では、兄であるゴッホを支え、彼の死から半年後に死去した弟テオの遺族たち、テオの妻ヨーと彼らの息子フィンセントによる、ゴッホ作品の周知及び保存活動に焦点が当てられていました。会場では、1973年に開館したファン・ゴッホ美術館(アムステルダム)のコレクションであるゴッホやその時代の画家たちの作品などが展示されていました。
2025年7月28日「芸術の現場から」のリレー講座最終回は、上田市立美術館館長の山嵜敦子先生にお越しいただきました。
山嵜先生は本学国文学科の卒業生です。
上田市役所に入庁し、国保年金課、文化財課、観光課などを経て、同市の池波正太郎真田太平記館、上田市立博物館、上田市立美術館の学芸員を務め、2021年に同美術館の館長に就任されました。
今回のご講義は「サントミューゼって、どんなところ?」というタイトルのもと、ご自身の経歴とともに3館の特色、学芸員の仕事についてお話をしてくださいました。
| 池波正太郎真田太平記館 |
| 上田市立博物館 |
| 上田城CG復元画像 |
| 「真田三代の活躍した時代」展ポスター(部分) |
| サントミューゼ(概要) |
| サントミューゼ(平面図) |
| 上田市立美術館展覧会事業(企画展) |
| ミュシャ展、作品展示 |
2025年7月21日、アーティスト・長谷川仁さんにお越しいただきました。
長谷川さんは、北海道から瀬戸内、海外まで幅広く活動されている現代美術家であり、
地域や子どもたちとの共同制作を数多く手がけています。
今回の講義では、ご自身の生い立ちから近年の作品まで、
多彩なエピソードを交えてお話しいただきました。
長谷川さんは、母がファッションデザイナー、父が建築家という家庭で育ち、
幼い頃から自宅の壁に自由に落書きを楽しめる環境があったそうです。
大学で社会学を学んだ後、タイでバックパッカーとして旅をした経験が大きな
転機となりました。旅先で出会った家庭の温かいもてなしや、質素な椅子に
心地よさを感じ、「自分にとっての居心地の良さとは何か」を考えるきっかけに
なったといいます。
帰国後は、昼間にプロダクトデザインのアルバイトをしながら、
夜間は桑沢デザイン研究所でプロダクトを学習。
倉俣史朗の作品に触れて受けた衝撃も、この時期に大きな刺激となりました。
さらにその後、モノ派のアーティスト・関根伸夫さんが主宰する事務所に7年間在籍し、
現場を通してアートの実践を学んでいきました。
「場所」と人をつなぐ作品づくり
長谷川さんの作品は「場所性」を大切にしています。現地に足を運び、その土地ならではの「色気」を見出し、地域に寄り添う作品を提案していく姿勢が一貫しています。
例として、以下のプロジェクトが紹介されました。
・《The cradle of stardust》安中榛名駅のベンチ:星座を描き、夜空を見上げる体験を提供するデザイン。
・《coins》JRタワーの募金箱:絶滅した動物には募金できない仕組みで、社会への問いかけを仕込んだ作品。
・《リスノタネ》小学校のワークショップ:子どもたちと泥人形をつくり、自然と遊びの関係を形にした試み。
・《エゾパズル》新千歳空港内に設置した北海道らしさを表現した立体アート。
子どもと共に創るアート
長谷川さんは、子どもとの共同制作やワークショップを積極的に展開してきました。
新聞紙を染めて巨大なインスタレーションを作ったり、廃校になった小学校で
「タイムマシン」をテーマに作品を制作したりするなど、
遊び心あふれる取り組みが印象的でした。
「子どもが自然を好きになるきっかけをつくりたい」
その言葉通り、作品には教育的なまなざしと社会的な意義が込められていました。
芸術祭と挑戦
長谷川さんは、大地の芸術祭や瀬戸内国際芸術祭をはじめ、
各地の芸術祭にも多数参加されています。瀬戸内での《時間屋》では
「46億年前の塩を10秒すくう」という行為を作品化し、
観客に“地球の時間”を感じさせました。
また、飯舘村での瓢箪を育て使った作品《ひょうたんボトル》や、
今年度制作したアップサイクルアート展での作品《指先みたいなもの》
など、自然・人間・社会をつなぐテーマが一貫していました。
メッセージ
最後に語られたのは「絶対に諦めない」「やり切る」という強い言葉。
そして、「芸術祭はアドベンチャー」という表現が印象的でした。
作品づくりはいつも“思いつき”から始まるが、そこに社会性と地域性を組み合わせ、
最後まで形にすることがアーティストの役割であると力強く語られました。
まとめ
今回の講義を通じて、学生たちは「アートは単なる自己表現ではなく、
人や場所をつなぐ行為である」ことを実感しました。
地域に根ざしたアートの力、そして挑戦し続ける姿勢に、
多くの刺激を受けた時間となりました。
長谷川様、ありがとうございました。
2025年7⽉14⽇、群⾺県⽴⼥⼦⼤学にて、メディアプロデューサー・アートディレクターとして活躍する中⾕⽇出(なかや・ひで)先⽣による講義が⾏われました。
講義の冒頭、先⽣は「本⽇出会った学⽣のみなさまと、これからつながっていきましょう!」と語りかけ、90分にわたって、⽣成AI時代における⼈間の学び・創造・つながりについて多⾓的に展開されました。キーワードは「アンラーンnlearn)=既存の考えを⼿放す」。情報社会、デザイン教育、アートの役割などを縦横無尽に語る内容でした。
令和7年7月7日というラッキーセブンが3つ揃ったこの日、群馬在住の画家、水野暁先生をお招きして、制作の現場や裏側、作品に対峙するスタンスをお話しいただきました。
当日は地元の先生のファンの方も訪れ、教室は先生のお話を楽しみにしていた様子です。