午前中は、SOMPO美術館(新宿)の「カナレットとヴェネツィアの輝き」展を見学しました。
カナレット(1697-1768年)は、「水の都」ヴェネツィアの景観画(ヴェドゥータ)を描いて人気を博した画家です。おもに英国貴族の若者が教育の集大成として文化の中心地を巡ったグランド・ツアーの最盛期には、ヴェネツィア旅行者たちが好んで彼の絵画を買い求めました。
会場では、カナレットが明るい部分を白い斑点で描いた技法を間近で観察したり、遠近法の道具カメラ・オブスクラを体験したりすることができました。
また、印象派の代表的な画家モネをはじめ、後代の画家たちによるヴェネツィアの絵画も展示されており、時代様式や文化的な背景を意識しながら鑑賞できるようになっていました。
午後は、森美術館(六本木)の「ルイーズ・ブルジョワ展」を見学しました。
ルイーズ・ブルジョワ(1911-2010年)は、六本木ヒルズの巨大な蜘蛛のオブジェ《ママン》を制作したアーティストです。
森美術館のスクール・プロジェクトにより、入場前にラーニング・キュレーターの白木氏が展覧会の鑑賞ポイントや美術館の展覧会作りなどについてレクチャーをしてくださいました。
入場した途端、アーティストの心象の空間に放り込まれたような感覚に襲われた人もいたかもしれません。暗がりで主張する作品群、映像、音声、香水のにおいの中で強烈な刺激を受けたのではないかと思います。
ルイーズ・ブルジョワは現代社会の問題を意識させるアーティストですが、1930年代から制作活動を行っています。シュルレアリスムなどとの関連を想起させるなど、西洋美術史の観点からの作品鑑賞が可能です。
SOMPO美術館と森美術館のスタッフの皆様に大変お世話になりました。
どうもありがとうございました。
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