岸井さんは「演劇」の本質を論理的に考え抜くことで、いわゆる「演劇」とはかけ離れた形態の活動をくり広げています。2001年の作品『本当に大事なことはあなたの目の前では起こらない』は、上演されているのは「本当に大事なこと」なので、会場にやって来た観客が上演を見せてもらえない、という作品。
「演劇」「戯曲」などの基本概念を抽象的に定義することでラディカルな展開が可能になる、と岸井さんは言います。こうした定義に基づいて実作を重ねていくと、やがて定義がアップデートされ、作品の方向も変化していきます。
演劇をめぐる岸井さんのディープな理論展開は、演劇に限らずさまざまなジャンルの創作全般を考える上でも非常に刺激的なものだったように思います。あえて映像を使わず、ほぼ言葉のみで説明されたのも効果的でした。
レクチャー終了後も、創作に興味のある 国文学科の学生たちと話が止まりません。 |
岸井大輔さんのウェブサイト http://www.kishiidaisuke.com/
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