アイザックさんはサンフランシスコを拠点としながら世界各地で活躍する振付家/ダンサー/マルチメディア・アーティストで、日本の身体文化から刺激を受けつつ、身体・モノ・空間の関係を繊細に構築した諸作品で高く評価されています。作品は劇場で上演されることもあれば、映像やインスタレーションの形を取ることもあり、形態にとらわれることなく非常にユニークなテーマを追求しています。
山口の秋吉台国際芸術村で制作された 『Landscape Carrier』(2014) |
近年の作品の抜粋映像とともに、アイディアや手法について語って頂きました。
もともと美術の領域から身体表現に入ったアイザックさんは、存在/不在、あるいは、現れること/いなくなることを中心テーマとしながら、「いなくなった人の痕跡」、「存在しているのに見えなくなる身体」といったモチーフを様々に表現しています。
もともと美術の領域から身体表現に入ったアイザックさんは、存在/不在、あるいは、現れること/いなくなることを中心テーマとしながら、「いなくなった人の痕跡」、「存在しているのに見えなくなる身体」といったモチーフを様々に表現しています。
日本で制作された『Stations of Appearance』(2010) |
『ANICONIC』三部作(2012-2014) |
作品は一見抽象的ですが、人の存在・不在、生命と非生命の境界といったテーマは、生と死をめぐる私たちの観念を問い直そうとする意識に裏打ちされています。存在しているのに存在していないことにされるホームレスの身体、都市における人と人の関係、などといった非常に具体的な問いが創作の背景にある、というお話は印象深いものでした。
プレゼンテーションと質疑応答のあと、簡単なワークショップが行われました。教室のドアを使い、受講者が一人ずつ「現れる」・「いなくなる」場面を演じてみるというものです。
受講者の一人が、ドアを少しだけ開け、姿を垣間見せています (画面の一番手前がアイザックさん) |
複数で静止し「活人画」を作っています |
普段の授業で扱っている一般的な「舞踊」とは異なり、またジャンルにカテゴライズしづらいアイザックさんの表現を通して、「身体の芸術」の豊かな可能性を感じてもらえたのではないでしょうか。現代のアーティストとじかに接するこうした機会を今後も作っていきたいと思います。
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