2019年5月30日木曜日

西洋美術史実地研修1 第2回研修

「西洋美術史実地研修1」第2回研修を行いました。
 午前中は、新緑の美しい上野公園で「クリムト ウィーンと日本1900」展を鑑賞


会場の東京都美術館は、コレクションをもたない、ドイツではクンストハレと呼ばれる形式の美術館です。入館前には、クンストハレの利点と課題について学芸員資格課程の学生による発表を聞きます。
 その後、美学美術史学科の学生により「ウィーン分離派」と「グスタフ・クリムト」について発表してもらいました。
 



天候に恵まれるこの季節、ちょうど都内の学校の課外授業とも重なったようで、20分待ちの行列に並んでから入館となりました。



「ベートーヴェン・フリーズ」の複製による再現展示をはじめとして「黄金様式」時代の大作が並ぶとともに、初期作品や後期の風景画など、あまり目にすることができない作品を見る機会になりました。


今年は日本とオーストリアの友好150周年ということで、この展覧会をはじめ、オーストリア美術に関する展覧会が目白押しです。本展は次回に訪れる「ウィーン・モダン」展の予習にもなりました。

午後は、渋谷に移動してBunkamuraザ・ミュージアムで「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」展を鑑賞。

 イギリス北部の町グラスゴー出身の海運王バレル氏による美術コレクションを中心とした展覧会です。彼にフランス美術を紹介していた画商リードは、ゴッホの弟テオとともに働いており、ゴッホによるリード氏の肖像画が最初の部屋に飾られていました。
 時代的にジャポニスムの時代でもありバレル氏は日本美術のコレクションも所有していたようですが、本展では、印象派以前の19世紀半ばの英仏の画家たちの作品が中心に展示されています。
ヴーダンの作品

事前学習では、コレクションの目玉作品を描いた「エドガー・ドガ」と、印象派に先立つバルビゾン派の画家でモネにも影響を与えた「ウジェーヌ・ヴーダン」について調べてもらいました。


     
(海運王のコレクションらしく、海や船を描いた作品が多いのも特徴でした)


 5月とは思えぬ暑さの中での研修でしたが、幸い、体調が悪くなる学生もおらず、鑑賞後は無事に帰路につきました。

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