石原先生は、NPO法人映画保存協会代表の立場で、2010年に東京都文京区の委託事業「文京映像資料館」に携わるなど、さまざまな活動を展開しています。
今回、「わたしたちの映像遺産を未来へ」というタイトルのご講義。まず国立映画アーカイブ(NFAJ)、広島市映像文化ライブラリーなど、全国に5箇所の公共フィルムアーカイブセンターがあり、コレクションのための専用収蔵庫を完備し、上映施設やフィルムアーキビストが雇用され管理していることなどを話されました。
フィルムと言った場合、劇場映画、アニメーション、ドキュメンタリー、教育映画、アマチュアフッテージ、ホームムービーなどさまざま、その中で石原先生は特にホームムービーに関するお仕事をされています。
アメリカに留学中、イベントとしてホームムービーを集め上映会をしたところ、大変盛り上がったことがホームムービーに魅せられるきっかけとなったこと。他人が撮ったものでも時間を経たものは、価値があることに気づいたことなども話されました。
活動を続けていることで広がりもみせはじめている。東京藝大との連携として東日本大震災復興プロジェクト「よみがえる大船渡」や「創造都市やまがたプロジェクト」などの例も一部、映像とともに紹介していただきました。
最後には、文京映像資料館の中から「ぶんきょうの暮らし」を上映。50年ほど前のものが多く、脚本、演技のない暮らしが、日常の視点で撮られています。撮影者の想いもより生き生きとダイレクトに伝わってくる感覚を憶えました。
地域に眠っている個人的な映像が、時が経つことで価値あるもの、共有できるものになっていくことを深く感じるご講義でした。
石原先生、ありがとうございました。
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2019年度「芸術の現場から」 2019年10月~2020年1月
火曜 16:20~17:50 群馬県立女子大学 2号館2階 CALL2号教室にて
スケジュールはこちらをご覧ください。
https://www.gpwu.ac.jp/dep/lit/art/schedule.html
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