2022年6月3日金曜日

R4「西洋美術史実地研修1」第二回研修

 「西洋美術史実地研修1」第二回研修は、この春リニューアルオープンした国立西洋美術館で行いました。

同美術館は、2016年に「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献」という名称で世界文化遺産に登録されており、それを受けて前庭部分がル・コルビュジエによる当初の設計案に沿って改修が行われ、すっきりとした形になり、ロダンの彫刻が際立って見えますね。
今回の研修ではまずはリニューアルされた常設展を見学。
 
リニューアルということで展示作品の入れ替えがあるほか、部分的にテーマ展示が取り入れられたり、またQRコードによって解説をスマホで見れるなど新しい試みがされていました。
彫刻コーナーではロダン作品とともに彼の弟子で恋人でもあったカミーユ・クローデルの作品が共に展示されており、相互の影響関係を見ることができました。

イタリアのバロック画家カルロ・ドルチによる《悲しみの聖母》(1655年)の展示では、同館が行った科学調査で判明した同作に使用されている顔料が共に展示されていました。鮮やかな青いマントにはラピスラズリという鉱物が使われています。
作品を見ながら友人と語り合うのも、一人作品と向き合うのも美術館鑑賞での醍醐味です。
 国立西洋美術館は中世から20世紀までの西洋美術を網羅的に収蔵する施設として、絵画彫刻だけでなく充実した版画コレクションでも知られています。今回は常設展と合わせて版画素描展示室にて「新収蔵版画コレクション展」も見学しました。
デューラーの木版画や銅版画を始めとしてブリューゲルの「七つの大罪」シリーズやレンブラントのエッチング、印象派の女性画家メアリー・カサットのリトグラフなど様々な技法による代表的な版画作品のほか、あまり知られていないジェリコーによる版画などを仔細に見ることができる貴重な機会となりました。

ブリューゲル

ジェリコーの馬の版画
レンブラントのエッチング
メアリー・カサットのリトグラフ
         
     
 








アナモルフォーズ(歪像)という技法を使った、紙に歪んで表された図像が見る角度によって円筒に映るという趣向の変わった作品も。
(展示作は18世紀のドイツ人版画家クリスティアン=ハインリッヒ・ヴェング《ルナをアルカディアに誘うパン》

最後はロダン「地獄の門」の前で記念撮影。

大型の企画展ではありませんが、様々な時代の、様々な技法の作品を一気に見る良い機会になったのではないでしょうか。

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