第三回目のゲストとして、アーツ前橋特別館長、森美術館特別顧問、十和田市現代美術館総合アドバイザー、弘前れんが倉庫美術館特別館長補など多数のお仕事を兼任されている南條史生先生にご講義をいただきました。
先生には、2016年に一度本学にお越しいただき、その際も世界のアート、とりわけアジアの現在について、お話を伺いました。今回、本学学長からも何度もオファーし、大変お忙しい中二度目のご講義をいただくことが叶いました!ご縁があり、群馬県前橋市の「アーツ前橋」の特別館長というお立場になられたので、是非ともお話を伺いたいと思っていました。
世界のアートシーンを牽引している南條先生に、今回講義のためにアーツ前橋の展覧会について、そして世界のアートの今についてお話しいただきました。
まずはアーツ前橋開館10周年記念として2023年~2024年に開催された「ニューホライズン 歴史から未来へー」の展覧会のお話です。
アーツ前橋は、2013年にオープン後、展覧会だけでなく多くの地域アートプロジェクトを実施してきました。展覧会では、市民とアーティストの協働をさらに市街地へと拡充し、再開発が待たれるアーケード街に、人工知能やAR(拡張現実)などテクノロジーを
用いた作品、イマーシブな映像インスタレーションなどを展開しました。
先生はその展覧会のアーティストや作品について画像を見せながらお話されました。
この展覧会は学生や県民の聴講の方も鑑賞した人が多く、先生から個々の作品についてお話を伺うことができ、展覧会を思い出すことが出来た方も多かったのではないでしょうか。
その後、展覧会に出品するアーティストをいかに集めてくるか、というお話になりました。
当然のことながら、日本の作家のみならず、世界の作家の中から声をかけて展覧会を構成するので、海外の作家とどう出会い、つながりを持つのかというお話をしていただきました。
そこからのお話は学生も県民の方も目を見張るものが多く、
中国の新しい美術館のお話に始まり、アジアの現在のアートシーン事情、
インドネシア、シンガポールなど、巨大な美術館に巨大な作品が展示されていることも紹介してくださいました。
さらに、昨今ではアラブ首長国連邦のアブダビに世界有数のグローバルな文化的中心地となることが期待されている場所が出来ていること、ドバイでのアートフェア、ヨルダンの砂漠の中に美術館が出来ていること、カタールのミュージアムのこと、サウジアラビアのビエンナーレ、、、というように特に今中東のアートが熱いということを作品画像と共に紹介してくださいました。
↑先生が現地で着用していた衣装も紹介してくださいました。
先生のこの情報量の多さ、さらに現地に赴き、アーティストと交流を重ねるということに誰もが圧倒され、ただただすごい・・・という雰囲気になりました。
世界のアートの今に触れた直後でしたが、今回20分程度質問の時間をとることが出来ました。
学生たち、県民の聴講生の方も緊張した面持ちでしたが、
活発に質問が投げかけられました。
大学で学び始めた1年生からの質問にも丁寧に回答してくださいました。世界を見ている先生ならではの、おおらかでハッとするような気付きの多い言葉は、講義を受けたみんなの心にじわじわと染みるものがありました。
南條先生、本当にありがとうございました。
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