2014年12月22日月曜日

西洋美術史実地研修2

回(1213日)、いよいよ最終回を迎えました。
今度は降雪の恐れがありましたが、この日も幸いお天気に恵まれました。

午前中は、三菱一号館美術館(東京)です。東京駅から歩いて分ほどで出会うレンガ造りのお洒落な建物。展覧会は「ボストン美術館 ミレー展」。

岩波書店のマークにもなっている《種をまく人》は、ミレー(1814-75)の故郷ノルマンディーが舞台になっているそうです。「ノルマンディー展」(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)も行きましたね。
赤レンガの建物の前で、ミレー展の集合写真。
事前課題の発表風景。
外は寒いので、向かい側の建物にちょっと避難。
 事前課題では、ミレーや「バルビゾン派」の画家たち、ボストン美術館、三菱一号館について学びました。
 パリ近郊フォンテーヌブローの森のはずれにあるバルビゾン村に移り住んだミレーは、働く農民の姿を描きました。農村の自然と労働をテーマに作品を描いた「バルビゾン派」の画家たちの中には、風景画で有名なコローもいます。
 現在の美術館の建物は復元ですが、オリジナルは明治27年、イギリスからやって来たお雇い外国人の建築家ジョサイア・コンドルによって設計されました。ちなみに東京駅の設計者は、彼が工部大学校(現東京大学工学部)で教鞭をとった際の弟子で、やはりイギリスで修業してきた辰野金吾です。

 午後は、約年の年月を経て今年11月にリニューアルオープンしたばかりの東京都庭園美術館(目黒)へ。ここは、旧朝香宮邸であるアール・デコ建築の建物そのものが見どころです。庭園はまだ整備中とのことで、今回は建物と展覧会を見学。
 アール・デコはフランス語で「装飾美術」の意味で、フランスを中心に1910-30年代に流行した装飾様式です。リズミカルで幾何学的な模様が特徴。
入口付近での集合写真。
アール・デコの館までは、まだ少し歩きます。
事前課題の発表風景。アール・デコや旧朝香宮邸について学びます。
植物がくねったような装飾のアール・ヌーヴォーと比較もしてみました。
発表の最中に幾度か激しい風が吹いて、枯れ葉の大群に襲われました。
アール・デコの館の前で。いざ、中へ。
 一見シンプルな外観をもつ建物を入ると、ルネ・ラリックによる翼を広げる女性像の幻想的なガラスレリーフ扉が迎えてくれました。さあ、音楽を奏でるかのようなアール・デコの装飾に包まれて、お屋敷を探検しましょう。内藤礼「信の感情」展の小さな《ひと》たちにも出会えます。
 ホワイト・キューブの白くて明るい新館にも足を延ばすと、ガラス越しに見た外の景色もすっかり違って目に映りました。皆さんは、どんな風に感じたかな?

 さて、後期の西洋美術史実地研修はこれで終わりです。寒かったり、時には雨も降ったりで気を揉むこともありましたが、病欠者もなく、無事に最後を迎えました。
 展覧会はこれからも興味深いものが続きます。この研修を機会にどんどん展覧会に出かけて、美術作品とじかに語り合う時間が増えるといいですね。

 それでは、どうぞよいお年を!
解散後に訪れた「デ・キリコ」展
(パナソニック汐留ミュージアム)の帰りに。

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