2018年11月16日金曜日

西洋美術史実地研修2(第3回)に  行ってきました!

秋も深くなり、少しずつ冬の気配を感ずるようになってきました。
第3回の実地研修は東京に出掛けました。

午前中は、三菱一号館美術館の
「フィリップス・コレクション展」を見学しました。


フィリップス・コレクションは、アメリカで近代美術を扱う最初の美術館として1921年に開館した私立美術館です。モネやドガ、ゴッホなどの作品が蒐集されています。暖炉の上に絵が飾られている部屋の写真を見ると、今回の展覧会は、同じく暖炉があるこの三菱一号館美術館にぴったりではないでしょうか。

事前学習の発表風景

三菱一号館美術館は、明治にイギリスからやって来た「お雇い外国人」ジョサイア・コンドルによって設計された事務所(1894年建設)を復元した建物です。
ちなみに、東京駅の設計者はコンドルに師事した辰野金吾です。



中庭はもうクリスマスの装い。その傍らで桜の花が咲いていました。
不思議な光景ですね。

午後は上野に移動して、
東京国立博物館・フィラデルフィア美術館の交流企画特別展
「マルセル・デュシャンと日本美術」を見学しました。


「快慶・定慶のみほとけ」展も美術の勉強になるのですが、学生はセット券よりも別売りのほうが安価というので、西洋美術史の本授業ではデュシャン展のみ、希望者は別途購入ということにしました。

事前学習の発表風景

最初に落ち着いた空間を求めて東洋館に行き、そこで事前学習の発表をしました。
デュシャンと「レディ・メイド」、それからフィラデルフィア美術館について。
「既製品」である男性用便器を作品《泉》として展示し、問題提起をしたことで有名なデュシャンですが、ほかにどんな作品を制作していたのでしょうか。
そして、なぜ、どのような点が「デュシャンと日本美術」なのでしょうか。

口を開けた脇のライオン像を真似て?

会場の平成館に向かう途中、表慶館の前で集合写真を撮影しました。
表慶館は、ジョサイア・コンドルの別の弟子、片山東熊による設計(1909年開館)です。正面玄関では、2頭の青銅製のライオンが脇でかまえています。「阿吽」の像ですね。


デュシャンの空間で遊び、その後に日本美術の空間に入りました。
並ぶ日本の品々と解説文、デュシャン作品の写真。
「『美術』を見るのではなく、『考える』」というこの展覧会のねらいどおり、
学生たちも自問自答したり、話し合ったりしながら、
たしかに様々なことを考えさせられたのではないでしょうか。
そういう良い機会を与えられました。

本当は「フェルメール展」も見学したかったのですが、事前の予約と支払い、変更不可というハードルが高すぎて、授業としては断念しました。

さて、残るは最終回のみ。
皆で元気にまたお会いしましょう。

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