2026年8月18日火曜日

7月20日「芸術の現場から」音楽家・数学者・STEAM教育者 中島さち子先生

7月20日の「芸術の現場から」リレー講座で最後にお招きしたのは、音楽家、数学者、(株)steAm 代表取締役、(一社)steAm BAND代表理事でもあり、2025年に開催された大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーを務められた中島さち子先生です。

今回のタイトルは、「いのちの遊び場 クラゲ館の挑戦 今の時代に問われる感性と論理」。

まずは、中島先生が関わっている「キッズアートプロジェクト」について、紹介もまじえの自己紹介からお話が始まりました。

「キッズアートプロジェクト」は、「病院で過ごす子どもたち」が主役のプロジェクト。絵を描くことや作品を作ることを通じて、入院生活を楽しみ友達同士の会話を生み出し、治療に向き合う元気を与えることがプロジェクトの趣旨。作品は病院内で飾られ、世界中に発信されています。
入院生活が楽しい!と感じられるほど楽しいワークショップです。

アドレス
http://kidsartproject.jp/about/

一日中考えることが大好きだった子ども時代、大学入学後は、ジャズセッションにどっぷりハマったことなどを紹介された後、履修生の皆さんのことや、頭の中を知りたいと、中島先生から「自己紹介・好きなものなど」の問いが投げかけられ、リアルタイムに反応が表示される双方向の演出で盛り上がりました。

講義は、起業と留学を同じ時期に行ったお話へ

留学先は、ニューヨーク大学 Tisch School of the Arts、ITP (Interactive Telecommunications Program)
⼤学での課題は、1週間、時に半年や1年で何かを⽣み出していくこと。遊びながら⾃らなんでも創造できること、五感をフル活⽤することが、とても楽しくて魅了されたそうです。
創造にテクノロジーも大活躍。技術の進歩が表現の幅を広げてくれること、一方で五感や身体を通して体験してもらうことで、気づきがあることも⼤切だったと話されました。

この過程でスライム楽器やAR(拡張現実)の音楽の遊び場が生み出され、それが万博クラゲ館での大人気体験型展示や、絵本『クララとそうぞうのき』(絵:くすはら じゅんこ、ひかりのくに)のAR アプリにつながっていったそうです。

講義も後半へ
21世紀は創造性の民主化が実現し得る時代。
創造力の重要性、つくる・つながることをキーワードに、今後の潮流としては、「さまざまな業界の境界線がなくなっていくこと」が、データに基づいた私見とともに示唆されました。

そしてSTEAM 《Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art/Arts(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)》のお話へ

ここで中島先生は、「ゆらぎのある遊び」をキーワードに挙げ、論理と感性の狭間、理系と文系の交差点について説明され、例として数学者である岡潔氏の言葉をあげました。
「数学のもとになるのは頭ではない、情緒だ」「数学に一番似ている仕事は、百姓だ」。「情緒」とは「野に咲く一輪のすみれを美しいと思う心」。
「情緒の中心の調和が損なわれると、人の心は腐敗する」と紹介され、数学とは突き詰めていけば、哲学に近いと話されました。

*岡潔 随筆集『春宵十話』(しゅうしょうじゅわ)角川ソフィア文庫,2014年より

最後に⼤阪・関西万博のことに触れ、世界中の国が参加したイベントについて紹介。

創造性やいのちにとって大事なことは、「ゆらぎのある遊び」
「混じり合うことが必要」という言葉がとても印象に残りました。

中島先生、対話を交えた、とても貴重なご講義をありがとうございました。

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