2026年7月17日金曜日

7月13日「芸術の現場から」文化財修理技術者 土屋三恵先生

7月13日、「芸術の現場から」では装潢文化財(東アジアの伝統的な書画の総称)の修理技術者である土屋三恵先生にお越しいただきました。

土屋先生は小さい頃から古い物に親しみを感じ、仏像や仏画に興味関心を抱いておられましたが、青年期には一般企業に就職。一念発起し、絵画修理工房に転職されたそうです。そこから修理の技術や必要な知識を学び、古画の修理にも従事するようになったようです。自分の関心領域に近づく努力、人生を切り拓く決断力と行動力は、就活を控えた学生にはどのように映ったでしょうか。

ご講義の中では、掛軸や巻子などの装潢文化財の修理工程、修理技術などについて丁寧にご教示いただきました。書画の構造や裏打ち紙について解説されつつ、時に映像を交えて修理作業の様子を見せていただきました。日本美術史を学び始めた学生には難しい専門用語もあったと思いますが、修理の世界の深奥にも触れられたことと思います(ご講義はプロの学芸員の研修と比べて遜色ないものでした)。

装潢文化財は定期的な修理が必要なこと、修理の際の文化財に対する姿勢などもお教えくださいました。オリジナルは改変せず、文化財の何を残し、何を改善するのか、SNSで見る海外の修復失敗例とは何が異なるのかなどについてもお話しいただきました。
修理を通じて、画家の描写の工夫に気づくことがあるそうです。虚心坦懐に文化財に接しているからこそ、得られる学びなのでしょう。

今回の講義を通して、装潢文化財が過去から現在に至るまで丁寧な修理を繰り返し、大事に保管されて、今、我々の前に存在していることを、学生は改めて感じたことでしょうか。
土屋先生、学び多いご講義、ありがとうございました。

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