2018年10月9日火曜日

後期授業「西洋美術史実地研修2」が始まりました!

「西洋美術史実地研修2」は、美学美術史学科の専門科目として、また、学芸員課程の実習科目として、東京や群馬等の美術館や展覧会を見学する授業です。
作品を実際に鑑賞でき、展示方法等を学べるまたとない機会です。
これから4回にわたって実施報告をしていきます。

台風の影響が心配された第1回研修日の朝。
前日までの雨はすっかり上がり、まばゆい光に緑がきらめいていました。
午前中は、国立新美術館で「ピエール・ボナール展」を見学。


頭の丸みが印象的な女性と白い猫が出迎えてくれました。

フランスの画家ボナール(1867-1947年)は、「日本かぶれのナビ」と呼ばれたというけれど、どんな絵を描いていたのでしょう?そもそも「ナビ」って何でしょう?

事前学習の発表風景。

この展覧会は、オルセー美術館特別企画によるもの。
ボナールとナビ派、そして美術館についても調べておきました。

「いざ、『視神経の冒険』へ」

ボナールが誕生した1867年には、パリで万国博覧会が開催され、日本も参加しました。フランスの画家たちは、浮世絵や焼き物など日本の美術に大きな関心を寄せました。日本にとっては、江戸から明治へと変わる激動の時代でした。それから約20年後、ボナールは、ポスト印象派の画家ゴーギャンや日本美術の影響を受けた画家たち「ナビ派」のメンバーとして制作に取り組んでいました。「ナビ」とは、ヘブライ語で「預言者」を意味する言葉です。

この展覧会では、日本美術の影響が強い平坦で装飾性の高いパネルから、独自の表現を求めた光と色彩の裸婦画まで、また静物画や風景画、スケッチ、写真といった多くの作品が並び、80年の歳月を生きた画家の関心の幅広さや画風の変遷を学ぶことができました。

午後は、東京都庭園美術館で 「エキゾチック×モダン アール・デコと異境への眼差し」を見学。

旧朝香宮邸を背景に。

アール・デコの館は装飾の宝庫。
壁や天井、時には床も、そして扉や窓、階段、照明-すべてがアール・デコを体験させてくれます。

事前学習の発表風景。

アール・ヌーヴォとアール・デコ、旧朝香宮邸と東京都庭園美術館について調べました。

さて、建物の中へ。
玄関のガラス・レリーフの翼を広げる女性たちに挨拶をして大広間に入ったとたん、展覧会の異空間に放り込まれました。

エキゾチックとは、誰にとってのものなのか。
異境とはいったいどこなのか。そこから何が生まれたのか。

新館入口のガラス越しに見える庭園。

群馬県立館林美術館蔵のポンポンの動物彫刻たちに東京で出会いました。
来年1月22日~3月31日、同館でもこの展覧会が開催されます。
http://www.gmat.pref.gunma.jp/ex/ex_next.html


それでは、次回またお会いしましょう。

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