2018年10月28日日曜日

西洋美術史実地研修2(第2回)に行ってきました!

秋晴れの気持ちのよい朝で始まりました、第2回実地研修。
今回は地元、群馬の森へ。

群馬県立歴史博物館

最初に訪れたのは、群馬県立歴史博物館。
「西洋美術史の授業でなぜ?」という疑問が湧くかもしれませんが、自分たちの大学がある群馬の歴史を知ってこそ、グローバルな視点もさらに養えるといえます。

事前学習の発表風景

事前学習の発表では、特別に会議室を貸してくださいました。
お蔭さまで落ち着いて発表を聴くことができたばかりでなく、施設見学の勉強にもなりました。

学習課題は、富岡製糸場の設立と建物(特に西欧との関わり)について。
世界遺産に登録されている富岡製糸場は、明治5(1872)年にフランス式の技術で設立された官営工場です。その2年前には、前橋藩がイタリアで製糸業の経験を積んだスイス人技師を指導者に製糸所を設立しています。群馬で生産された生糸が輸出されていきました。

イタリアの初代駐日公使が群馬へ養蚕の視察に訪れたこともありましたし、また群馬からイタリアへ視察に行ったり、蚕種(蚕の卵)の直接販売に向かったりする人たちもいました。そこには蚕糸がつなぐ人と人の交流がありました。

解説員のガイドで見学スタート
富岡製糸場の模型を前に

常設展見学では、解説員の方の説明を受けながら、古代から現代までの群馬を通覧。
群馬の歴史や展示を見るポイントを教えていただきました。

昭和の体験コーナー

常設展の後は、企画展「上毛かるたの世界」展を見学しました。
「上毛かるた」は、戦後の復興と子どもたちに郷土に対する誇りと愛情をもってもらうことを願って作られた群馬のかるたで、県民に親しみ愛されてきました。
展示を見ていると、絵札の原画や読み札の文言につまった思いが伝わります。

「上毛かるたの世界」展 2018年10月6日(土)~12月9日(日)
博物館企画展ウェブページ http://grekisi.pref.gunma.jp/97exhibition.html

群馬県立近代美術館

午後は、隣接する群馬県立近代美術館へ。

岡部館長と稲葉副館長が温かく迎えてくださいました。
館長室にもお招きいただき、感激と緊張でいっぱいになりました。



ザッキンの彫刻の前で館長ご講義

館長から美術館やコレクション、開催中の展覧会「サラ・ベルナールの世界展」についてお話を賜りました。

館長には、本学授業「芸術の現場から」でご講義をしていただいたばかりです。(「芸術の現場から」ブログ  https://kenjo-bigaku.blogspot.com/2018/10/blog-post_25.html?spref=tw

本学教務係長でいらしたことのある副館長からは、愛情のこもった喝が入り、学生・教員ともに思わず身が引き締まりました。



事前学習の発表風景

事前学習は、サラ・ベルナール、世紀末美術、印象派について。
企画展と美術館コレクションの両方について下調べをしてきました。

サラ・ベルナールのポーズをとって

サラ・ベルナールといえば、19世紀末アール・ヌーヴォを代表する画家ミュシャのポスター《ジスモンダ》を思い浮かべる人も多いかもしれません。ベル・エポック時代のフランスで大活躍した舞台女優です。自ら作品を制作する彫刻家としての一面もありました。

この展覧会では、ミュシャなどの作品というよりも、人物そのものに照明を当てています。
作品を通してのサラ・ベルナールではなく、今度は作品が彼女を取り巻くひとつひとつの物になっていくのです。絵の登場人物が実体化する瞬間を味わいました。

「サラ・ベルナールの世界展」 2018年9月15日(土)~11月1日(日)
美術館企画展ウェブページ http://mmag.pref.gunma.jp/exhibition/index.htm

群馬の森で散歩する人たち、元気よく遊ぶ子どもたち。のどかで充実した一日でした。

群馬の森とシャボン玉

今回は学生がくれた一枚の写真で締めたいと思います。
それでは、来月またお会いしましょう。

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