リレー講座の第8回(2018.12.4)は、株式会社ほんやら堂からデザイナーの
加藤麻由美先生にお越しいただきました。
ほんやら堂は高崎市を拠点とする健康雑貨メーカーです。群馬に限らず、東京などの雑貨屋さんで「おやすみ羊」や「なまけたろう」「柴ずきん」といったキャラクターの安眠まくらや入浴剤など、ほんやら堂が企画販売する健康と癒しのグッズを見かけた方も多いのではないでしょうか。
ほんやら堂の商品を前に、店頭に並ぶまでのチェック項目の説明 |
加藤先生は、商品開発部のディレクターをなさっています。
社員が少人数のほんやら堂では、分業制でひとつの仕事のみをするのではなく、ディレクターは企画から販売まで全体の製造工程に携わります。
デザイン制作はもちろんのこと、景品表示法や薬機法といった法律に抵触していないかのチェックや、品質管理、利益率の計算など、またどのような問題が想定されるか、その場合はどのように対処するのかというリスク管理も行います。
世の中に商品を出す責任の重さを実感していると語られました。
2019年春限定、母の日に向けた「ボタニカルローズ おやすみ羊」のまくら |
商品企画は販売予定の1年前に始まります。商品化が決まれば、実際に商品を製造する工場とのやり取りや、商品カタログの作成、バイヤー対象の展示会が待っています。カタログのデザイン、カタログ用の商品撮影、展示場のポップ作成など、商品が店頭に並ぶまでにはすることがぎっちり。スケジュール管理も大切です。
加藤先生のデザイン帖から(「ボタニカルローズ」) |
商品化する際には自分の当初デザインに固執せずに、バイヤーさんなどの話を聞いたりしながら、どうすればお客様に買ってもらえるのかという視点で作るとのこと。
自分のデザインを否定されても落ち込むことはないそうです。自分のデザインは賛否にかかわらず、自分にとってゆるぎないものであり、今のニーズに合ったものを商品化するということはまた別のものであるからと、商業デザイナーとしての姿勢を語ってくださいました。
商品や企画書などを見せていただきました。 |
新たに企画販売する商品は、毎年300種類以上。様々な工程があり、そして様々な人がいてこそ初めて商品は生まれてきます。
「とにかく素直であること」がいろんな人と関わっていくうえで大事であると学んだと語る加藤先生。ご自分の得意なことや得意でないこと、また学生時代から現在のご職業につくまでの様々なエピソードも話してくださり、私たちは自分のことも素直に受けとめながら毎日を過ごす大切さも一緒に学んだような気がします。
加藤麻由美先生、ご講義をどうもありがとうございました。
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平成30年度「芸術の現場から」
10月~来年1月 火曜16:20~17:50 群馬県立女子大学 新館1階第1講義室にて
スケジュールはこちらをご覧ください。
https://www.gpwu.ac.jp/dep/lit/art/2017.html
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