2023年5月21日日曜日

「芸術の現場から」 5月15日 西島雄志先生

 5月15日 彫刻家でアートカフェ「gallery.studio.cafe_newroll」を主宰されている、

西島雄志先生にお越しいただきました。

先生は中之条ビエンナーレの常連作家で、日本各地で作品展を開催されています。



講義の序盤は、幼少期の美術に関わる体験~大学を受験されるまでの考え方から、
ものづくりと人とのつながりの大切さを分かりやすく丁寧に語ってくださいました。
学生結婚され、様々な仕事をしながらも作品制作を続けてきた姿勢に、学生たちも驚いた様子で聞いていました。
学生時代に恩師からいただいた「作品制作を続けなさい」「必ず助けになる」という言葉が、今の自分に繋がっているとおっしゃっていました。


その言葉の通り、30歳から9年間銀座のギャラリー(使用料は当時1週間で30万円ほど)で個展を開かれています。
その時期に、日常生活「時間」と制作「時間」との関係を考え、いつでも制作できる、銅線を渦のように巻いてパーツを作り組み合わせるスタイルを見つけ出されました。「時間の時間を集めて形にする」というこのスタイルを、現在に至るまで続けています。
そして、常にそのパーツを手に持ち、少しの時間ができた合い間合間に制作をされている話には学生たちも目を丸くしていました。



2021年、東京での講師の仕事を辞め、東京から中之条近くの群馬県吾妻町へ移住されました。
自分自身のやりたいことをやるために自分で責任をとる=仕事を辞めて作品制作のみをすることを選ばれました。
居住地を群馬にされた理由は、中之条ビエンナーレで作品を見ていただいたお客様の言葉の影響があるとのこと。
銀座によくいらっしゃるようなアートに詳しい方達ではなく、素朴で純粋な子供やお年寄りが素直な感想を投げたり、感動してもらえたりすることに本来の作品のあり方が明確になり、救われたとのことでした。



中之条ビエンナーレでは、廃校を舞台にした展示会場や、人が立ち入れない聖域とされている神社などで展示をし、自身が表現したい「気配」を作りやすくなったそうです。
最初自分自身をモチーフにしていた「気配」はやがて動物に変わり、現在は「日本の神」と呼ばれる動物たちをモチーフに展開されています。
群馬だけでなく、京都二条城での展示や海外の展示など幅を広げ、現在、東京銀座ポーラミュージアムアネックスで6月4日まで展覧会をされています。




学生たちの心に響くストレートなコンセプトに、講義最後の質問コーナでは学生からの質問が止まりませんでした。
時間であえなく終了となりましたが、今年度は中之条ビエンナーレ開催年であり、群馬で主宰されているアートカフェギャラリーは今後も開かれるとのことですから、学生たちも伺える機会が増えることでしょう。


ありがとうございました。

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