2023年8月2日水曜日

2023年度「芸術の現場から」大森慎子先生(新潟市歴史博物館)によるご講義


7月24日は、大森慎子先生(新潟市歴史博物館 学芸主任)にお越しいただきました。
大森先生は、本学文学部美学美術史学科の卒業生です。
ご講義は「学芸員という仕事に就いて」と題し、学生時代やご卒業、また就職後の経歴と重ねつつ、新潟市の文化芸術活動の歴史や、ベテラン学芸員の多岐にわたる業務を紹介してくださいました。
昭和55(1980)年に開学した本学は、その2年半後に前橋市から玉村町に移転しました。
大森先生は、新築当時の玉村校舎の写真などを見せながら、個性的な先輩たちや教員たちに刺激を受けたり、仲間と集い、自分からもアイディアを出したりして、楽しい学生生活を送ったと語られました。
ご卒業後は新潟市の公務員としてスタートし、やがて新潟市美術館の学芸員となり、新津美術館などを経て、現在の新潟市博物館に勤務なさっています。

学芸員のお仕事は、所蔵作品の調査研究や管理、展覧会の企画運営、教育普及、広報、地域連携などと幅広く、時にはハプニングが起きて対処に追われることもあるそうです。
多忙な日々をお過ごしのようですが、それを楽しそうに、学芸員という仕事に対する情熱を込めて話してくださいました。
2020年11~12月のコロナ禍には、「生誕320年記念特別展 五十嵐浚明―越後絵画のあけぼの」展が開催されました。その展覧会は、江戸時代における新潟の代表的な画人に関する長年の研究成果の場でもありました。

五十嵐浚明(いからし しゅんめい、1700-1781年)の展覧会図録は、2021年度(第33回)の「国華賞」において「国華展覧会図録賞」を受賞しました。
『國華』は、明治22(1889) 年に東京美術学校(東京藝術大学の前身)を創設した岡倉天心らによって創刊された学術雑誌で、その名を冠した「国華賞」は、日本美術及び東洋美術の優れた研究に対して贈られるものです。

最後に、「学生時代を思いっきり楽しみ、様々なことをやってみるという経験が、社会に出て役に立ちます」と学生たちに語りかけてくださいました。

大森先生が学芸員としての自分史を語ってくださったことで、学生たちは自分自身のことのように受けとめながら、学芸員のお仕事の大変さや楽しさ、そして人生についても学ばせていただいたようです。

大森先生、素敵なご講義をありがとうございました。

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新潟市歴史博物館 みなとぴあ https://www.nchm.jp/

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